まずは目の構造を知り、そして自分や
子供の近視がどういう種類なのか、
このことをきちんと覚えることで
治療方法や訓練方法も変わりますので
しっかり身につけてください。
●「見る」という仕組み
よくカメラに例えられますので簡単に説明します。
光が侵入するとまず最初に角膜(本体)を通ります。
そして水晶体(レンズ)を通り、網膜(フィルム)の
中心で像をとらえ視神経を伝わって脳へ送られます。
この間すべての操作をわずか0.002秒
という超スピードで処理しています。
この見るという動作は、三種類の
レンズの働きで成り立っています。
1.角膜
2.水晶体
3.眼軸
さらに、見る物の距離によってピント合わせが
必要になってきます。このピント合わせで最も
重要な働きをするのが水晶体です。
水晶体が厚くなったり薄くなったりして
ピントを合わせているのです。
この時水晶体を厚くしたり薄くしたり
という働きを受け持っているのが
毛様体筋という筋肉です。
近くのものを見るときは毛様体筋が緊張して
水晶体を厚くし、遠くを見るときは緊張が解け
水晶体を薄くしているというわけです。
遠くを見るときにピンボケならぬ、ぼやけて
見えるのはこの水晶体が厚くなった状態から
薄い状態へ戻れなくなっているからなのです。
次に近視の種類について説明します。
●近視の種類 (1)仮性近視
いわゆる近視のなり始めで、視力が
低下し始めてから6ヶ月程度までの
目の状態のことを指します。
長時間近くのものを見続けると前述した
毛様体筋が緊張を強いられて、遠くのものを
見ようとしても緊張が解けません。
結果、水晶体が厚くなったままになります。
この状態を仮性近視といい、この期間に発見
できれば真性近視になる前の完治も可能です。
眼科で処方される副交感神経麻痺剤で
毛様体筋の緊張を解くという方法も有効です。
●近視の種類 (2)真性近視
毛様体筋の緊張が次第に固定化し、
水晶体が厚く膨らんだまま、常に近方に
ピントが合ったままになります(屈折性近視)。
さらに眼軸が伸び、ラグビーボールのように
眼球が楕円形になる軸性近視へと進行します。
この二つの状態を真性近視と言いますが、
回復までの時間が長くなり、正常視力までの
回復は望めなくなります。
なお、視力回復訓練を行っている人の大半は
屈折性近視の方で仮性近視から進行悪化した
ものと考えられております。
参考までに近視は遺伝だと思っている方も
多いようですが、遺伝率は現状では
近視の方の3~5%と非常に率は少ないです。
なお、屈折性近視の場合は視力0.7~0.9
軸性近視の場合は0.1以下の視力が目安です。
視力回復訓練を考えた場合、屈折性近視
であれば正常視力に戻る確率は高く、
軸性近視の場合でも家庭内でのメガネが
不要になる程度までは回復が可能です。
すでに近視の方でも自分がいつ頃から
視力が低下していたのかわかれば
現在の目の状態も概ね把握できます。
つまりいかに早く視力低下を発見するか
これが一つの大きな課題であり、
発見方法に関する知識が必要になります。