→過疎について村上春樹風に語る

借りました。

なんの予備知識もなく読み進めたのですが、この話は何に向かって進んでいるのかが全く分からず、正直面白くなくて途中は飛ばし読みしてました。

 

 

リストラされて25年ぶりにUターンして実家で暮らすことにした了衛。東京都ではあるものの多摩地区の田舎で、住民は７軒のみで住人も９人のみでほぼ老人。という過疎地区。

頑固だったり上から目線だったり乱暴者だったりと住人はみんな一癖ある人ばかりです。こんなところに住みたくないな。

常識人というか普通の人だったのは能見一人だけ。しかし村八分にされている。それも能見の妻子が結核になったことが原因で、医者も呼べず、死亡後も菌が移るからと言われて自宅で葬儀もできなかったらしい。

うわ〜何この閉鎖的な思考！

 

了衛はなぜかご近所と親しく付き合おうとするんですけど、それがまた的外れなんですよ。学校の成績は良かったようだけど、おバカさんのようですね。やればやるほど住民に嫌われて、窓ガラスを割られたり自転車壊されたり放火されたりするんですねぇ。どう考えても住人の誰かしらがしでかしているに違いない。と考えるわけです。確かにそうとしか考えられないですよね。

金も無くなっていくのでハローワークに通うけどなかなか良い仕事が見つからない。クサクサする気持ちを誰もこないブログに書き綴る了衛。

そして飼い犬が殺されて住民たちに対する怒りが爆発！

いつも了衛の味方でいてくれた能見に家を空けるように伝え、了衛はその夜に地区にいた住民全員を殺害するのでした。

 

いやいやいや、まさかまさかでした。

もう了衛が辛い目にあう様子を読むのが辛くて飛ばして読んでいたのですが、まさかそれが了衛が大量殺人事件を起こすまでの経緯が延々と描かれていたものだとはね！予想外！

了衛は逮捕されましたが、精神が壊れてしまいました。警察はブログを読んで殺害に至った経緯は理解できたようですけど、真実かどうかは判断できませんよねぇ。

さて、唯一生き残った能見ですが、まさかの真犯人でした。
ええーまじでー！
妻子に対する住民の対応に怒りを覚えていて、復讐してやろうとずっと考えていたんですって。そこにおバカさんな了衛が引っ越してきたので、うまいこと操って障害沙汰を起こしてもらおうと思い了衛にあれこれ吹き込んでいたんですって。了衛がされた嫌がらせは全部能見の仕業でしたよ。なんてひどい話。
すべてうまくいってニヤニヤしている能見の家にやってきた警視庁安全局の宮條。宮條ってですよね。
その宮條が言うには、なんでも閉鎖された製薬会社から向精神薬が流れ出ていて井戸水に向精神薬が含まれていることが判明したとか。だから井戸水を飲んでいた了衛はあんな事件を起こしたのか、と能見が言うと、了衛の家の井戸水には含まれていない。しかし能見の家の井戸水には向精神薬が含まれている。と言うではないですか。
そのことを知って驚愕する能見。自分が攻撃本能を煽る向精神薬を摂取していて、住民に対する敵愾心も薬のせいかも？　更に近い将来何かしらの凶行に走るかもしれない。更にこの薬を大量摂取した人はもれなく廃人になると聞かされ、愕然とする能見なのでした。
あらあら〜なオチでした。

クソ面白くない作品だな、と思っていましたが、最後の最後にやられましたわ。衝撃的な話でした。読み返したくないけどね。

タイトルにワルツが入るのは、了衛が「美しき青いドナウ」という曲が好きだったから、でした。ワルツだって書いてあるのに、ずっと「モルダウ」だと思い込んでいたワタクシ(恥)。

みなさん！たくさんのいいね！とコメントありがとうございます！