お悩み無用視力販売どころ
以前は絶版状態で
最近になって復刊した本。
『この闇と光』
服部まゆみ(1998年)
Amazon
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「どんでん返しがすごい!」
みたいな口コミがあり、
帯にも
「すべての世界が崩れゆく快感!!
見事な大どんでん返しで
ミステリファンを熱狂させた幻の傑作」
ずいぶんハードルが上がったけど、
これから読まれるみなさんは
この口コミを忘れて(?)
この耽美な世界にどっぷりつかって
衝撃の展開を味わってもらいたいです。
ぶっちゃけこれから語る
「あらすじ」も見ないで
本編を読むほうがいいでしょうね。
あらすじ
私の名前はレイア。
大きな戦争が起きて
国王だった父は失脚し、
母は逃亡中に死亡した。
その時に私は目を負傷して
視力を失った。
今は父と付き添いの侍女と
3人で森の中の別荘で
幽閉された生活を送っている。
侍女のダフネは私に対して
厳しくてとても意地悪だ。
私が泣くと
「お黙り!殺してやる」と
私を脅してくる。
そんなとき、
私を優しく父が抱きしめてくれる。
私は父から「光の娘」と呼ばれていた。
この国の王だった父は、
国民の暴動を治めに
時折出かけなければならない。
忙しい父の代わりに
ダフネが私の世話をするのだが、
私はダフネが嫌いだし怖い。
いつか本当に殺されるのではと
怯えている。
目の見えない私の行動範囲は
この寝室と隣の食堂と
バスルームだけ。
階段の下には他国の「兵士」がいて
降りたら私も殺されてしまうだろう。
目が見えないのは
「魔女のしるし」だという。
私は魔女じゃない。
魔女はダフネだ。
目が見えなくてもダフネは
香水の臭いが強いので
近づいたらすぐわかる。
「沈丁花」という
花の臭いと同じらしい。
4月30日。
今日は私の
5歳の誕生日だと父が言う。
誕生日プレゼントに
父が犬を連れてきた。
名前は「ダーク」に決定。
今までは
くまのぬいぐるみの「プゥ」しか
友達がいなかったので
私はこの新しい友達を歓迎した。
ダークは私の騎士よ。
部屋から出れない私は
カセットテープで
「赤頭巾」や「白雪姫」などの
物語を聞くのが唯一の楽しみだ。
父が新しい物語を朗読してくれたり、
いつでも聞けるように
テープに吹きこんで
それを繰り返し聞いている。
そして私は父から文字を教わった。
触って読める木札で文字を作る練習から
盛り上がった文字を書いて読む練習。
文字が見えないのに
文字を書く練習をする私を
ダフネはバカバカしいと笑うが、
実はダフネは言葉を話せても
国が違うから
私たちの国の文字は
理解できないらしい。
「だふねのばか」と書いても
気付かないので
私と父は笑い転げた。
夏が終わる頃、
簡単な文字はすらすら書けるようになり
「ラプンツェル」を何度も読んだ。
ラプンツェルは搭に閉じ込められ
今の私とよく似ている。
私の髪の毛が
ラプンツェルくらい長くなったら
私は父とここを出ていけるのだろうか?
ダフネは私のことを
「重荷でしかない」
「死ねばいいのよ」と言う。
私は父の
負担になっているのかもしれない。
そのことを父に聞くと、
父は「楽しいよ」と
笑って答えるのだが・・・
6歳の私は
時間や距離の概念を
理解できるようになった。
ピアノで「トルコ行進曲」も
弾けるようになった。
そんなある日、
ダフネが父のいる前で
私に「殺したほうがいいのよ」と
言ったため父は激怒する。
「レイアを脅すことは許さん」
そう言って二度と
ダフネを近づけないと
約束してくれた。
ダフネは来なくなったが
それから父は私にかかりっきりになり、
父が疲れている様子も
たびたび感じていたし、
夜中にダフネが様子を
覗きに来ることもあった。
殺したいなら殺せばいいのに・・・
12歳になって
「嵐が丘」の内容をやっと理解できた。
13歳。
父が「デミアン」という本を読んでくれた。
だが、もっと本を読んでと
せがんで父を怒らせてしまった。
父が忙しいとわかっていても
もっと本を読みたい私。
そして・・・
9月14日。
私がここに来て9年が経った。
その日の朝、
暴動が起きたとダフネに起こされ、
私は髪を切られ、
ズボンを履かされて
9年振りに外の世界に連れ出される。
そこで待ち受ける
光の世界とは—-。
解説
戦争で母と視力を失った王女レイアは、
失脚した父王と一緒に
山奥の別荘に幽閉され、
意地悪な侍女ダフネの
監視下で生活していた。
目の見えない中で
父から言葉と文字を教えてもらい、
朗読してもらった物語と音楽が
レイアの世界の全てだった。
しかしレイアが13歳に成長したある日、
幸せな生活は脆くも崩れ去る。
驚愕の展開が待つ
幻想ミステリー。
前半の「レイア 一」では
盲目の王女レイアが
ダフネという
付き添いの女に脅えながら、
優しい父との
幸せな生活が描かれている。
父との中庭でのピクニックや
犬のダークとのふれあい、
文字の読めないダフネへのいたずら、
本を読む楽しさなど
限られた世界で
ささやかな幸せを見つける
レイアを応援したくなる。
目の見えないレイアには、
父が唯一の支えなので
外出するたびに、
どうか無事に帰ってきますようにという
気持ちを読者も抱かせて
物語にうまく引きこんでいる。
「赤頭巾」「ラプンツェル」
「小公子」「嵐が丘」「デミアン」などの
童話や文学作品が引き合いに出されて
物語にも少しながら
リンクしているのが巧妙。
そして物
語中盤の
連続どんでん返しで
完全に世界が崩壊する。
それまでの違和感が
カタストロフィへの助走であり、
前半と後半でここまで反転するのは、
見事と言うしかない。
闇の中で
見えない物が「美しい」と感じた世界。
光の中で
見える物が「醜く」感じる世界。
“闇の中に在って、世界は何と美しく輝いていたことだろう!”(P.261)
この言葉がとても印象的だ。
タイトルが
『この闇と光』であるのも、
なぜ闇が先なのも納得。
世界観を破壊する
木札の伏線の張り方が秀逸である。
そして・・・
結末には
2つの謎が残る。
虚構と真実。
どちらの話を信じるか?
一見して簡単なように思える謎も
見方を変えると、
そうはいいきれない。
そんな企みを感じさせる作品。
欠点としては・・・
●犯人の動機が・・・。
それはまずありえない。
●ダフネのアレは
かなり無理がある。
●ミステリ要素は少ない。
どんでん返しだけ。
●あらすじやレビューを読むと
軽くネタバレしやすい。
●結末がすっきりしない。
俺の感想は・・・
名作と名高いこの作品。
堪能しました。
チェスタトンの作品を思わせる
音しか聞こえないからできる
あのトリックが良いね。
出来るかどうかは別問題だけど。
この作品は、
直木賞の候補に残ったらしいが
惜しくも落選。
意見がわかれたそうです。
目玉のトリックは凄いが、
物語に無理が多いので
俺も評価はそこまで高くないけど、
これは驚くと思うし、
驚いてほしい。
俺も197ページで
「え!?」って声が出ました。
作者の服部まゆみさんは
2007年に亡くなられているとか。
『この闇と光』は
50歳の時の作品らしい。
耽美でゴシックな世界観が好きな人、
とくに女性の方に
この作品をおすすめしたいです。
★★☆☆☆ 犯人の意外性
★★☆☆☆ 犯行トリック
★★★☆☆ 物語の面白さ
★★★★☆ 伏線の巧妙さ
★★★★★ どんでん返し
笑える度 -
ホラー度 -
エッチ度 -
泣ける度 △
総合評価
7.5点
———————-
※ここからネタバレあります。
未読の方はお帰りください。
—————————
※ネタバレを見てはいけないと
書いてあるのに
ここを見てしまう「未読のあなた」
あなたは
犯人に最初に殺されるタイプです。
十分に後悔してください。
●ネタバレ解説
〇被害者 —●犯人 —動機【凶器】
①大木怜 —●原口孝夫 —衝動誘拐
結末
盲目の王女レイアは
幼少時に原口に誘拐されて
幽閉されていた少年・大木怜だった。
ベストセラー作家である原口は
自分が父親とダフネの二役をして
怜を王女レイアと呼び、
女の子として育てたが
13歳になり体が成長して
誤魔化せなくなって
両親のところに戻した。
目の手術をして
目が見えるようになった怜だが、
光のある世界に嫌悪感。
盲目の日々を懐かしく感じる。
自分をさらった人物を
作家の原口だと突き止めた怜は
「レイア」の原稿を送り、
彼の別荘を訪れて
真相を訪ねたが
原口は何も答えなかった・・・。
●叙述トリックについて
この作品の中盤に待つ
二段構えの「どんでん返し」
まず「レイア 一」の最後で
今まで見て来た
ヨーロッパの世界観から
現代の日本の風景と人々が現われ、
主人公レイアを「れいちゃん」と
呼ぶ女性が現われて
本当の両親だとわかる。
世界観の崩壊と
自分が誘拐された子供だったという
叙述トリックが使われている。
そして、
病院で目の手術を受けたあと、
語りが「私」から「僕」に変わって
語り手は男性だったとわかる
性別誤認の叙述トリックが
仕掛けてあります。
“病院での事は、思い出すたびに羞恥で身が熱くなる。
目が見えるようになってから、私は・・・いや、僕と言うべきだろう。なぜなら、僕は男だったから。”(P.197)
これは主人公のレイアが盲目で
目が見えないということを
前提にしたトリック。
すべての情報源である
父親(とダフネ)が
会話と音を使って
レイアと読者を一緒に騙している。
■<世界観>
そのためのミスリードとして、
①登場人物の名前
(レイア、ダフネ)が洋風で、
②父親とダフネから聞く話も洋風、
③英語を話す兵士が出てくれば
おのずとここは
ヨーロッパだと錯覚するだろう。
それに対する日本的な伏線でいうと
①父と文字を勉強する時の文字の並び。
“だから毎日「文字の時間」に「お勉強」をする。私の知っている言葉や、父の言った言葉を木箱から選び、その通りに並べていく。
木箱には仕切りがあって、右の上から順番に木札が並んでいる。一枚に一つの文字が彫られている。どの札も五枚ずつ父はあると言う。”(P.27)
→右上から「順番」に並んでいるのは、
洋風ではない。
英語などは左上から始まる。
これは「あいうえお」と縦書きに
右上から並んでいるのである。
つまり「日本語」を勉強している。
②木札の文字の数。
“文字の木札はそれぞれ五枚ずつあり、全部で三百九十枚ある。”(P.83)
→5枚ずつが全部で390ある。
つまり390÷5=78文字の言語。
日本語は「あいうえお」<
br> 「かきくけこ」「さしすせそ」
「たちつてと」「なにぬねの」
「はひふへほ」「まみむめも」
「らりるれろ」で40文字。
濁音「がぎぐげご」
「ざじずぜぞ」「だぢづでど」
「ばびぶべぼ」で20文字。
半濁音「ぱぴぷぺぽ」が5文字。
「や」「ゆ」「よ」「わ」「を」で5文字。
「ん」「っ」「-」で3文字。
合わせて73文字・・・。
実はここに鼻濁音「か゜」という
「か」行に「゜(半濁点)」を付けた
特殊な教育に用いられる仮名があり
これが「か゜き゜く゜け゜こ゜」の5文字。
全部合わせると「78文字」で
それが5枚ずつあるのだから「390」。
日本語で確定。
※「ぁぃぅぇぉ」「ゃゅょ」などの
拗音に用いる捨て仮名は
発音の表記なので
勉強の際には使いません。
③ヒヨドリは日本でしか見ることのできない鳥。(P.30)
→ヒヨドリは日本中で
普通に見ることができる野鳥だが、
世界では極めて珍しく、
日本でしか見ることができない鳥。
海外から訪れるバード・ウォッチャーたちは、
出会いたい鳥の一つとして
必ずこのヒヨドリの名をあげる。
③藤の花は日本特有の花。(P.59)
→北アメリカにも自生するが
基本的に藤と呼ばれるノダフジは
日本固有種である。
■<時代>
中世ヨーロッパのような
雰囲気を出しているが、
そのうち近代的な
オーディオ類が出てきて
伏線になっている。
①カセットテープを聞く。
→コンパクトカセットは海外で1962年。
日本では1966年に発売。
DAT(Digital Audio Tape)が
一般向けに開発されたのが1987年。
②CDを聞く。
→CDプレーヤーが出来たのは1982年。
③ピアニスト、グレン・グールド没後。(P.132)
→“世を去った”とある。
グレン・グールドが死亡したのは1982年。
この時レイアは13歳。
この物語は
1990年代だと思われる。
■<性別>
男性である主人公が
女性だと思わされたのも
すべて情報源の父親(とダフネ)が原因。
ミスリードとしては
①父親とダフネから「娘」と呼ばれる。
→父親とダフネという
2人の人間から言われるから
女の子だと思うが
どちらも同一人物という罠。
②「私」呼びの言葉遣いや
ドレスやスカートなど服装も女の子。
→まあ女装です。
③通りがかりの人がレイアを見て
「可愛いお嬢さんですね」と言う。(P.108)
→初めて父とダフネ以外の人間に
女性と思われる発言が出たことで
決定的にしているが、
幼い少年を女装させていたら
遠目には誰でも女の子に見えるって。
それに対して
レイアが男性である伏線。
①下着が濡れていること。
“「さあ、起きよう。とてもいいお天気だ」と父に布団を剥がされた。
身体を動かしたとたんに、私は異様な感じに撃たれた。下着が濡れている・・・身が竦み、顔が火照った。”(P.137)
→下着が濡れている、だけでは
どんな状況かわかりにくい。
「生理だ」と父は言うが
初潮だとすると
茶色に汚れていなければおかしいし、
「汚れている」と言うはず。
起こされる前にレイアは夢を見ている。
それは愛する父と接吻し、
“下腹が熱くなった”のであるから
これは「夢精」で間違いない。
溜まりすぎていたのだ。
恥ずかしながら
俺も昔パンツをカピカピにして
なんで濡れてんだろう?と
不思議だったんだよなぁ(遠い目
②初めてズボンを履くが違和感がない。(P.143)
→男の子ですから。
③13歳なのに
胸がちっともふくらんでない。(P.140)
→だって男の子だもの。
「あなたは男」と
認めてくれる人間がいない場所で
自分の姿も性の知識も無いまま
女として育てられると
「女」だと思いこむようになる。
いわゆる
刷り込み(インプリンティング)ですね。
生まれたばかりの雛を
別の親鳥の群れで生活させると
毛の色も鳴き声も違うのに
親だと思ってしまう・・・
なんだか可哀そうだ。
●結末の謎にせまる。
この物語は、
ラストでレイアこと大木怜が
誘拐犯の原口孝夫に会いに行く。
そこで真実を話すようにせまるが
原口はシラを切って答えない。
しかも
「レイア 一」「レイア 二」が
怜の思い出を元にした
「原稿であった」という
作中作になっているため、
小説の事実である可能性が失われ、
原口の言うことが正しいと
深読みすることもできて
いったいどちらが正しくて
どちらが嘘をついているのか
わからなくなる。
こういう謎を残す方法を
リドルストーリーと言いますが
果たして「正しい解答」はあるのか?
検証してみようと思う。
2人の主張はこうだ。
原口「怜くんとは初対面。自分の小説に私の名前や関係性のある物を入れて気を引こうとしただけ。君は二重人格でこの物語を作り上げたのだ」
怜「あなたがおとうさんで、この別荘が僕が9年間暮らした場所です」
■<原口に有利な点>
①病院から
たまたま目の見えない3歳児を
連れだしてしかも
ほとんど誰にも
姿を見られていない不自然さ。
②ベストセラー作家と
育児と家事を
同時にこなす大変さ。
③父親とダフネの一人二役を
声と臭いを変えるだけで
演じられるわけがない。
④父親
車で出た後、
歩いて戻ってまで
ダフネになりすます意味がない。
⑤3歳の子供でも
自分が男か女くらい自覚している。
⑥レイアが病気になった時に
どうやって対処したのか?
9年間も病気にならないはずがない。
⑦怜が原口をあやしむ根拠がなく、
どうやって辿りついたか不明。
「ワルプルギスの夜」「4月30日」という
キーワードだけでは弱い。
⑧原口は小説の才能に感心して
返信したが別荘に来いとは書いてない。
もちろん真相を話すつもりもない。
・・・そもそも
3歳の盲目の子供を男手ひとつで
山奥で育てることに無理があるので
原口側の言い分の方が勝っている。
■<怜の有利な点>
父とダフネの一人二役を
証明することで反論する。
①ダフネに迫られたあと
すぐ近くで父の声がした。
“かさかさとスカートの音がすぐ前から聞こえ、ダフネの手が頬に触れた。私は壁伝いに後ろに下がる。「おとうさま!」と叫んでいた。金切り声で何度も叫んだ。こんな大声で父を呼んだのは初めてだった。
「ダフネ!」と父の声。すぐ近くで聞えた。「どうしたのだ・・・レイア・・・いったい何が・・・」”(P.24)
→すぐ近くに突然現れた父。
声を変えただけだ。
さらにダフネが消える速さがあやしい。
“ダフネのスカートのかさかさ鳴る音が続いた。
「レイアには私からよく言っておこう」と哀しそうな父の声。「兵士たちには内密に」
スカートの音が驚くほどの速さで下降し、遠ざかっていった。”(P.25)
→父はダフネが階段を下りたと
思わせるためにスカートを
投げ捨てたため
異様な速さで落ちてしまったのだ。
②ダフネがノックもせず
いきなり部屋の中に現われる。(P.59)
③ダークがダフネにもなついている。(P.56)
④父が怖い声で
ダークをしかった時、
一瞬ダフネを思い出した。
“椅子に坐ったとたん、父がとても怖い声で「こら!」と言った。一瞬、ダフネを思い出し、竦んでしまう。「クーン」とダークの声。”(P.54)
→これらも一人二役を証明している。
⑤兵士が一度だけ現われた時、
父は酒で酔って具合が悪かった。(P.95)
→ダフネに変わって食事を運ぶため
無口な兵士で誤魔化そうとしたと
考えられる。
⑥レイアとダフネが逃げる時に、
通りすがりの人が
「最近は男性も・・・」と言った。
“中庭の端から端までよりもっと歩いた。鴉の声・・・そして変な香り・・・そして人声!前の方から女性の声、和やかな笑い声だ!テープではない!本当にひとの声だ!笑い声は近づき、すぐ脇を通り過ぎていった。二人だ。通りすがりに「最近は男性も・・・」と笑いに紛れた小さな声が聞こえた。”(P.160)
→レイアが男という伏線に見えるが
実はこれダフネが笑われている。
女装した父親の方が、
女装した少年より目立つからだ。
(結局は2人とも笑われてる)
以上の伏線で
父親=ダフネは確定的だ。
しかしこれらの
<怜に有利な点>は
すべて「レイア 一」の中に
出て来たものであるため
自分に有利にするために
捏造したものであるという
可能性が残ってしまう。
したがってこれらの伏線が
意味をもたないのだ。
「レイア 一」を
怜の作中作にしたのは、
リドルストーリーにするための
作者の作戦だと思う。
これでは
「どちらの説も正しい」と言うしかない。
しかし・・・
それでも—-
この物語を通して
怜の視点で見て来たが
彼が狂っているとは
どうしても思えない。
誘拐されて
9年後に発見されて
目の手術も受けて・・・
こんなでたらめな話は
世界にひとつだけで十分だ。
原口は真相を知られると
困る立場にいる。
当然シラを切るしかない。
原口の心の中が読めないのだから
彼が嘘をついているとすれば、
すべてが解決する。
原口は最後にひとつ
ヒントを与えているではないか。
“君が何を言おうと、私は君が気に入りました。君もそうでしょう?レイア」”(P.293)
原口が無実なら
ここでわざとレイアと呼んで
乗って来るはずがない。
彼は楽しんでいるのだ。
この状況を・・・
俺は思い違いをしていた。
リドルストーリーには
なっていない。
最後の台詞にその答えがあった。
怜のほうが正しい。
着地点は普通の人と同じだし、
回り道をしたけれど、
きちんと推理すれば、
正しい解答に
戻ってこれるようになっている。
———————–
グローバリズムの崩壊と視力の勃興について
視力お得商品も随時掲載、ごゆっくりご覧下さい
パリベ-ス現役CA,そして
キャリア&ライフアドバイザ―、
のYACHIです。
初めての方→
今日は、朝から健康診断。
1年に一回は会社の健康診断。
2年に1回は、Direction générale
de l’aviation civile (DGAC)からの
正式の健康診断でした。
貧血気味だったりして、
ヘモグロビン値が低いと
数か月にわたり
フライトができなくなったりも
します。視力、聴力、心電図、
血液検査などなど検査されます。
現在ブロ-ニュとノルマンディとの
デュアル生活中。
明日からモントリオール便。
今日は、一人でブロ-ニュ住まい。
子供たち、主人は田舎におります。
健康診断が終わったら、一人自由時間。
もう貴重です♪ 子供がいると
いつも慌ただしく帰宅ですが、
今日はパリで満喫しようと決めてました!!
まずは、
公認読書会に参加申し込みして下さった方に、
9月20日までに本を読んでほしかったので、
何とかお互いの時間をあわせて
お渡しすることができました。
RER B線が便利ということで、
シャトレ レア-ルで待ち合わせ。
久しぶりでよくわからないので、
スタバが分かりやすいだろと指定。
そしたら、何と私が毎日のように通っていた
映画館のすぐ横にありました。
10年以上前には、なかった気がします。
*フランスだと映画会員になると
月に20ユ-ロくらい(2千円ちょっと)
で映画が見放題。映画が大好きな私には
もうたまらない。 渡仏したばかりで仏語が
よくわからなくても、時間があったら
ヒヤリングの練習と思い通ってました♪
その映画館からそんなに
遠くない場所にある貸し部屋。
ス-ツケ-スを片手に
空港から直接向かう途中、
緊張してたからか、
到着後ス-ツケ-スを
持ち上げてバスに乗ろうした瞬間。
グキット腰を痛めてしまいました。
痛い思いをしながら、貸し部屋の
オ-ナ-に会ったのを思い出します。
それが、シャトレの駅のすぐ近く。
1年にわたって住まわせてもらいました。
今考えると、パリのど真ん中。
1区にあり、マレ地区、
ル-ブル美術館なども徒歩ですぐ、
ハ-フマラソンに参加する前には
セ-ヌ川沿いを寒い中、
ジョギングしたなっと思い出しました。
寒い中、よく走ったなあ。31歳、何とかホテルで
就職したものの、フランス語にも苦戦。
数か月後にはワ-ホリビザが切れてしまう。
労働ビザを取得してくれるのか?
どうなのか?パリに残りたい。
ビザが取得できなかったらどうする?
東京にもどってどうするのか?
半年後の自分の姿が見えずに不安。
何かにチャレンジして、現状を打破したい、
そんな思いで走っていました。
そして、
懐かしいシャトレ界隈を散策後。
今日はここに行こうと決めてました。
オランジュリー美術館です。
私の大好きなモネの睡蓮
渡仏して、一人で時間があるときは
よく美術館もまわりました。
ここの美術館は、大きくなく
印象派の絵があり、360度
4面に絵が飾ってあるのです。
一部だけお楽しみください。
この紫、青、ピンクのような淡い
色合いが大好きで、何だか
ホワッと気持ちがよくなるのです。
この美術館を出ると、コンコルド広場。
セ-ヌ川沿いには、もちろんエッフェル塔。
息子が生まれたときは、まだパリに住んでいました。
15区にある買ったばかりのアパルトマンから
大きいお腹をかかえてよくお散歩しました。
*私が、叶えたい夢ノ-トにも書いていた、
「パリで賃貸でなくアパルトマンが欲しい!!」
海外就職の次に、オ-ナ-になる夢も
渡仏して3年で叶いましたよお。
主人も私も写真を撮るのが大好き。
カメラだけ片手に、コンコルド広場にある
噴水を静まり返った、観光客も誰もいなくなった
時間に、噴水を何度も撮りました。
水の流れをうまくとるのが難しくて、
また夜だと、明かりの調節で苦戦しました。
写真を見ると、あの頃の
子供が生まれたら、
どんな生活になるんだろう?
実家の親はフランスには来れない。
寂しいな。。。そして、出産後は、
フライトしたら数日家を空ける、
どうやってやっていけるんだろう。
不安な思いと、何とかなるだろう!
そんな気持ちでいました。
10歳年下の主人は、あの頃、
まだ25歳。年の割には、
しっかりして、よくサポ-トしてくれたなあ・・
今更ながら、感謝です。
その噴水を見渡せる少し
高台になっている場所にある
オランジュリー美術館。
モネの睡蓮の絵をみて
ふわっと温かい気持ちに
なり
美術館を出ると、目の前にある
噴水をみながら、主人と
二人での時間を思い出します。
息子が10月で10歳になります。
この10年間、パリ、サンジェルマンレイ、
ブロ-ニュと6回も引っ越ししながら
子育てしていました。7回目は、秋に
本格的に田舎生活、初めての
マンションでなく一軒家での生活が
始まります♪
よく、
「フランスで子育てなんていいですね~、
素敵ですね~」
帰省するとそんな風に
言われることもありました。
でも、実際はそんな
素敵なもんじゃないのになあ・・
なんて内心思っていました。
フライトの往復。他には、
自宅、ス-パ-、公園、
その往復でした!!
結局は、東京だろうが、
九州だろうが、パリだろうが
子育て中の時期って
どこでも一緒かなっとも思います。
海外での子育て。
夢だった海外での就職。
必死に、毎日を過ごしていた
気がします。特に二人目が
生まれてからは、日々の
忙しさに拍車がかかり、
とにかく忙しく、前にあることを
ただ、ただこなしていただけかな
っと振り返って思います。
出産当時は、自由に動けないことに
何ともストレスを感じていましたが、
さすがに10年ほどママをしていると
これも慣れてきますね。
子供がある程度大きくなると
だいぶ、楽になり、
時間とともに、少しずつ自由に
動けるようになりますね。
今、子供が小さい方、
もう少しの辛抱ですよ!
少しずつ楽になっていきますから
安心してくださいね。
よく、
母にも、
「女性の30代は大変だけど、
充実していて一番いい時期よ~」
何て言われていました。
40代となった今、
自分の30代を振り返り。
その言葉の意味が
よくわかる気がします。
自分の30代。
31歳で渡仏して、就活。
仏語がわからず、アタフタしながら
ホテルで必死に働いてた頃。
とにかく、必要なフランス語は丸暗記。
フロントにいて、一番よく聞かれること。
「お化粧室はどこですか?」
「まっすぐいって、つきあたりを左」
そんなフレ-ズの丸暗記からの
スタ-トでした。
必死になって頑張っていた自分。
よく諦めずに頑張ったな~。
その後ホテルから、
航空会社への転職。
何とかフライトするようになって
慣れたころの試練。
フランスではCAは国家資格。
フランス人は、この資格がないと
入社できません。
私たち日本人は、入社してから
4年までにこの資格を取得
しなければいけません。
毎日、辞書のように分厚い
マニュアルを必死に読み、
受験のように試験の
問題を沢山解いていた頃。
先輩方に、色々教えていただき、
助けていただき、頑張ってこれたなあ。
先輩が、なき道を作ってきてくださり、
私たちは、すでに出来た道を
歩むだけ。ありがたいです。
こう、昔からを振り返って、
経験を通して
言えることがあります。
理想の、満足する人生を
迎えるためには、
「何が大切か?」
その時、その時を
必死に頑張る。
将来が、どうなるか
わからない不安があっても。
その日の繰り返しが、
1年、3年、5年後を作る。
一歩踏み出して、行動をする。
その行動の後に、道ができる。
40代になり、30代のあの時に
必死に、就活、就職、
海外出産、子育て・・・
頑張ってきたその後に、
結果としての今の自分がいる。
現状に不満がある人、
いるかもしれません。
あなたの過去を振り返ってください。
必死に歩いてきましたか?
必死に歩いてきた道があるのならば、
今満足できなくても、歩く道の先には、
自分の理想の自分、理想の人生が
待っていると思います。
結局は、自分がやってきたこと。
行動してきたこと。
努力し、頑張ってきたか?
どれだけ、周りに感謝し、
人を思い過ごしてきたか?
そういう全てが、
現状につながり、
そして未来につながる。
そんな気がしています。
今、まだ満足できていない人、
今から動き出せば、3年、 5年後には
自分が理想とする未来に少しは
近づけるのではないでしょうか?
14年前のあの頃から、
現在までの自分を思い出し、
やっぱり行動してきたことが、
今につながってるなっと思います。
だから、私もこの40代を
今まで過ごしてきたような
思いで、いやそれ以上に
学び、努力して、チャレンジャーとして
過ごしていけるかで、やっと
自分の理想の50代、60代が
過ごせるのかなっと思っています。
自分の経験から、そして勉強してきた
夢を叶える心理学。心の持ち方。
興味がある方、
是非カウンセリングを申し込みください。
パリの対面は10月上旬で一旦
終了いたします♪
また、私が体現してきたこと、
若い時に色んな方から教わり、
信じてやってきたこと。
そんな一部も健さんも同じように
メッセ-ジを書き綴っています。
まだまだ私も現在進行形。
この本から学ぶことも沢山です。
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次回は、カナダ、モントリオールから
綴りたいと思います。
YACHI
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