第壱話 性科学、襲来

 

そしてこの数字は、調査で分かった数字であり

実際に起こった数字とは違うと言うこと。

私のように誰にも言えずにいる子供達が確実

たくさんいるはずです。

よってこの数字以上に性犯罪に巻き込まれて

いる子供達は多いはずです。

 

「私の話を、もし自分の娘が、息子が

被害にあっているかもしれない。」

 

と思いながら読んで頂ければと思います。

それぐらい子供に対する性犯罪は身近な問題

なのです。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

小学２年生の頃の冬、近所の空き地で隠れん坊

をしていた私は隠れる場所を探していました。

するとたまに近所で見たことのある、でも

話などはしたことのないおじさんが、

 

「こっちおいで。おじさんが隠してあげよ」

 

と言ってきたのです。

なんとなく嫌だったけれど、大人の言う事は

絶対だと思っていた私は、断ることができず

そのおじさんと廃車になっているトラックの

後ろに隠れました。

 

寒い冬の日で外には誰もおらず、

おじさんは座り私を前に座らせると、

私のズボンのチャックを下ろし、下着の中に

手を入れ私の淫部を触ってきました。

 

８歳ほどでしたが、

すごい違和感と嫌悪感を感じた私は、

 

「いいです。帰ります。」

 

と言ってズボンのチャックを上げながら

走って逃げました。

そのおじさんは、

 

「ダメダメ戻っておいで。」

 

と手を振っていた記憶があります。

怖くて一心不乱に帰宅した私は、

台所で料理をする母親に、

 

「なんか変なおじさんがいた。」

 

としか言うことができませんでした。

コタツの中に入っていましたが、動悸がして

いて、少し震えていたのは覚えています。

 

母親がもっと訊いてくれていば真実を言えた

かもしれませんが、台所で忙しく料理をして

いた母は私の話を聞き流してしまいました。

 

それ以降、今までずっと誰にも言えずにいま

した。

 

何となく恥ずべきことで、

私が悪いからで、

言えば私が汚い存在だと思われると思って

いたからだと思います。

 

「変な人に会ったら声を上げなさい！

    叫びなさい！」

 

とは言われていましたが、

その顔を知っているおじさんが変な人なのか

そのおじさんが悪いことをしていたのか、

8歳の私には分からず、困惑し、体が強張って

しまい、叫んで助けを求めることなど、到底

できませんでした。

 

 

そのおじさんは、確か通学路にある

アパートの二階に住んでおり、

夏の暑い日などは椅子を出して子供達の下校

する様子を見ていたんです。

 

私はよくそのおじさんの顔を見ながら、

 

「このおじさんだよね。

　きっとこのおじさんが触った人だよね。」

 

と思いながら見ていました。

そのおじさんの顔を見るたびに、

私が悪いことをしたような、

私が恥ずべきような、 

親に言えば私が叱られるような、

そんな感覚に陥ってしまいました。

 

あの幼かった小学生の私や他の子供達の

登下校をどんな風に見ていたのかと思うと

今になって恐怖がこみ上げてきます。

 

あの時、逃げる事ができなかったら、

あの時、おじさんの家においでと言われ

ついて行ってしまっていれば、

と今思い返すと怖くて怖くてたまりません。

 

知っていましたか？

子供達の身に起こる性犯罪のほとんどが、

顔見知りからの犯行だと言うこと。

 

性虐待に於いては、父親であるケースが

一番高く、親戚のおじさん、近所のおじさん

学校や部活、塾の先生、従兄弟のお兄さん

など短な人が性犯罪の加害者である場合が

多いのです。

 

そして忘れてはならないのは、男の子、

男性も性被害に遭うと言うことです。

 

よって私が書いた身近な性犯罪の加害者には

父親の場合は母親、親戚のおじさんの場合は

おばさんなど、性が逆になることもあれば、

男性が男の子に性犯罪を犯す場合だって

あるんです。

 

男女問わず、スポーツクラブや部活の

コーチや顧問からの

性的嫌がらせ（Sexual Harassment)や

性虐待は想像する以上に多いのです。

でも既にコーチや顧問の教員と人間関係を

築き上げている子供は戸惑い、声を上げるこ

とができず、親さえも気づかない事が多いの

です。

 

みなさんの子供さんは大丈夫でしょうか。

 

性被害に遭う子供達は私達大人が想像する

以上に多く、ただ子供は私が言えなかった

ように言えないだけなのです。

 

親に心配かけるかもしれない。

親に怒られるかもしれない。

親に信じてもらえないかもしれない。

これは恥ずかしいことだから言っちゃ

いけないんだ。

私は汚らわしくなったから嫌われる。

 

こんな風に子供は思います。

 

いじめがあれば相談してくれる親でありたい

ように、私は息子には性被害などに合えば必

ず相談してくれる親でありたいのです。

 

４歳になったばかりのアレックスですが、

学校では私の目の届かないところにいます。

 

幼稚園で性犯罪が起こらないとは限りません。

まだ意味のわからない、よく話せない園児だ

からこそ、それを利用する性犯罪の加害者が

いるかもしれないのです。

 

現に幼児を裸にして触れはしないが、写真を

撮ってコレクションする犯罪者もいます。

 

だから私は絶対に子供達のお風呂に入って

いる写真や、裸の写真をネットに載せたり

しません。

 

悲しいながら、日本ではまだそのような危機

意識がなく、自分の子供の裸の写真を平気で

載せる親達がいます。

 

身近な人が性犯罪者である場合もあれば、

今はスクリーンショットができ、

我が子の裸の写真が容易に世界中に広まる

ことが可能なのです。

 

幼稚園へ通い始めたアレックスに私は、

 

「誰かが学校でお尻を見せてとか、

　おちんちん見せてとか、触らせてとか

　言っても絶対にNo!!（嫌だ！）

　って言うんだよ。お友達も先生も、

　どんな大人でもダメなの。

　そしてそんなことがあった

　らお母さんにきちんと教えてね。」

 

「そしてお友達にも同じようなことを

　言っちゃダメだよ。

　アレックスの体もお友達の体もとっても

　大切なの。」

 

と4歳になる前から教えています。

 

英語で子供の裸の写真を撮ったり、

子供に性の魅力を感じたりする人のことを

 

pedophile

小児性愛病者

 

と言います。

そして欧米ではこのような人達がいると言う

ことをよく親は理解しています。

 

小児性愛病者だけが子供に性犯罪を犯すので

はありません。

 

そうではない大人も、ただ自分の性欲を満た

したいからと性犯罪を起こします。

 

あの出来事を誰にも言えず、何の罪にも問わ

れなかったあのおじさんは絶対に私以外の

子供にも手を出しているはずです。

 

そして性被害者が余計に辛いのは、その話を

信じてもらえなかったり、

「隙があるあなたが悪い」

などと言われること。

 

本当にそうでしょうか？

隙がある性被害者が悪いのでしょうか？

 

被害者に非があったから性被害にあったと

いうような考えを、

victim blaming・被害者非難

と言います。

 

道端で泥酔していた人を、イライラしていた

から暴行して殺した。

 

こんなニュースを聞いても、

「道端で寝ていた被害者が悪い」

などとは言わないはずです。

 

でも道端で泥酔していた女性を、性浴が抑え

られずに性的暴行を加え、強姦、レイプした。

 

と言うニュースを聞くと、

「道端で泥酔していた女性が悪い」

と言ったり、思う人がいる。

 

レイプされた女性の心は殺されていると同然

なのに、責められるのは被害者なのです。

私は間違っていると思う。

 

まだまだ男性社会の日本。

法律も男性目線で作られたもの。

男尊女卑、男女差別が根強く残っている。

 

だから強姦、レイプされるのも、

隙があった女性が悪い

と言う風にできている。

 

そしてもっと悲しいことに、

それが女性の中に根強く残っていること。

 

性被害にあった人に、

 

あんたが隙があったからでしょ。

そんな服着てるから。

酔って寝てたあんたが悪い。

一緒にお酒を飲んだあんたがダメ。

 

と言うような言葉を投げかける女性が多い。

そして最愛の母親からそんな言葉を

かけられた子供の気持ちを想像するだけで

胸が張り裂けそうになります。

 

被害者を責めるのはやめませんか。

本当に悪いのは誰なのでしょう。

 

お尻を触るという行為から免れ、

何の罪にも問われなかった加害者は、

 

下着を盗むようになり、

強姦するようになり、

殺害に至るケースもあるのです。

 

殺害されても「隙があった被害者が悪い」

と言えますか？

 

カナダで実際に、下着泥棒から始まり、

その犯罪からずっと免れてきたカナダ人兵士

が、最後には女性の自宅に侵入し殺害する

と言った事件が起こっています。

 

それぐらい性犯罪を軽視、放置、容認して

おくことは恐ろしいことなのです。

 

子供に起こった性犯罪は、

性的「いたずら」などと言葉を置き換えられ

犯罪としての意識が下がります。

 

私が思い切って性犯罪にあったと告白したら

私の友達や知り合いは、

 

お尻を触られた

精液をかけられた

胸を触られた

抱きつかれた

ペニスを見せられた

 

などと告白してくれました。

�
��ましくないですが、ホッとした自分がいた

と同時にすごい怒りが湧いてきました。

 

こんな風に言わない、言えないけれど、

性被害者はたくさんいる。

 

加害者は、

 

知らないおじさん

知り合いのお兄ちゃん

近所の駄菓子屋のおじさん

同級生

友達

 

 

このような犯罪が凶悪な性犯罪へと

エスカレートするのです。

警察、学校、児童相談所などへ必ず報告

してほしいと思います。

 

性犯罪、性虐待を見逃さないで欲しい。

性犯罪、性虐待を容認しないで欲しい。

 

「いたずら」なんて言葉で終わらせない

で欲しい。

 

 

もう一つ思い出せる事は、

小学校高学年の時に一人のクラスメート

の男の子に、

プールの時間に人から見えないことを良い

ことにお尻や下半身を触られたりしてすごく

嫌な思いをしたのを思い出しました。

それも誰にも話すことはできませんでした。

 

小学校５年生頃だったと思います。

彼の中で悪い事という意識がないまま

大人になっていると思うとゾッとします。

 

我が子が性の被害者にもなれば

我が子が性の加害者にもなるのです。

 

だからすごく性教育は

大切なんです。

 

大切な自分の体のプレイベートな部分に

勝手に触れるという行為は許してはならず、

はっきりとダメ「No」と言って良いと

教えてあげてください。

それが友達であれ、身近な大人であれです。

 

そして人の体に「許可なく触る」という行為

は不適切でダメな事「性犯罪」「性的嫌がらせ」

ということを子供達に教えてあげてください。

 

そしてその犯罪に対して声を上げて良い

と教えてあげてください。

性被害者やその家族が恥ずべきことでは

ありません。

悪いのは、恥ずべきは、加害者です。

 

身近な性犯罪を絶対に軽視しないで下さい。

 

幼かった私が傷ついたように、

今も多くの子供達が性犯罪の犠牲になっています。

 

みなさんの子供さんは本当に大丈夫で

しょうか？

 

性犯罪の被害者が、泣き寝入りをしない

といけないような日本という国。

 

警察に言っても、人に言っても、

 

立証するのは難しい。

あなたが辛い思いをする。

示談した方が良い。

勝てない。

忘れなさい。

 

と言われる被害者の気持ちを考えると

胸が締め付けられます。

 

私も告白できるまでに25年かかりました。

 

でも被害者が声を上げないと、

結局性犯罪を許しているのと同じことだと

思うのです。

 

あのおじさんが何の罪の意識もなく、

のうのうと生きていたと思うと、

今頃になって強烈な怒りが湧いてきます。

 

 

もし子供が性被害にあっていたすれば、

話を聞いて上げて下さい。

絶対に責めるような言葉をかけないで

欲しい。

 

被害者を責める言葉は、

既に傷つき、血が出ている死にそうな心に、

またナイフを突き刺すのと同じです。

 

悪いのは加害者であり、

被害者ではありません。

 

みなさんは子供の頃、

性被害にあいませんでしたか？

 

今みなさんの子供は

性被害にあってはいませんか？

小さなサインを見逃さないでください。

 

私は親に、

 

「なんか変なおじさんがいた。」

 

としか言えませんでした。

そんな言葉を聞いたときはぜひ子供の話に

耳を傾けてあげてください。

 

むやみやたらに、年上や大人、高齢者を敬い

なさいといった教育は危険です。

 

性犯罪は、想像する以上に、

とってもとってもとっても

身近な問題なのです。

 

動画「性暴力を受けている子供達へ」

 

 

 

 

次の記事では、日本で初めてレイプ被害を実名で

告白した伊藤詩織さんについて書いてみようと

思います。詩織さんが性被害に泣き寝入りしな

ければいけない日本の国を変えてくれている

気がします。

 

 

※【皆様にお願いがあります】

よろしければこのブログを一人でも多くの

子育てをしている人にシェアしてはいただけ

ないでしょうか。

一人でも多くの子ども達を性犯罪から

遠ざけたいのです。

 

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別居のこととかも聞かせてもらった。

やっぱりすごいというか、面白いというか。

どこまでも自分の気持ちにまっすぐなはるちゃんってかっこいいなって思う。

もし、元データや大元の出典を知ってるひとがいたら、ぜひ教えてほしい。

ちなみに世界の離婚率って、こんな感じ。

断トツ１位のロシアから４位までを旧ソ連の国々が占めていて、
５位にアメリカ
６位に北欧のデンマークと続く。

ちなみに日本は３６位。

ロシアでは、結婚すると８割は離婚。
アメリカでは、２組に１組
日本では、３組に１組という割合なんだ。

戦後ほぼ一貫して上昇してきた日本での離婚率って、ここ数年は下がってきてる。
ただ、よく見てみると婚姻率も下がってきてて、
要は結婚する人が減ったから、そのまま離婚率が下がったということ。

離婚件数を結婚件数で割った数字、
つまり、
結婚に対して離婚がどのくらい多いかを計算すると横ばいなんだよね。

で。

ここまで書いててなにを言いたいかというと、

離婚って普通のこと。

ってこと。

かつての日本社会の価値観からいうとネガティブなイメージがあったけど、
それは昔の話で、
逆に
「永続する結婚」
というものが世界的に見ると少数派になりつつある現実がある。

欧米の国々だってそう。
かつてはキリスト教という価値観のもとに、そもそも離婚というものが社会的、文化的に認められてなかった。
それがいまでは、いたって普通のことで、

ステップファミリーって言葉も一般化してきてるよね。
結婚、離婚を繰り返すひとも増えてきてて、血の繋がりのない家族という形がだんだんと自然なものになってきている。

これまであった社会的、文化的な制約がはずれて、ゆるんで来た結果、離婚が増えているというのは、それが自然なひとの姿だからじゃないのかな。

今回、
『パートナー選びに失敗しないための性科学。』
というシリーズを書いてきた。

間違ったメッセージを出したくないから、
ここで声を大にして言っておきたい。

別れや離婚が失敗という考え方を捨てなさい。

ぼくは決して、
ずっと続く夫婦（パートナーシップ）の形を否定するわけじゃない。

このひと。
そう決めた相手と、お互いの内面的な変化や、状況の変化をともにしながら続いていくパートナーシップというものは、すてきだと思う。

ただ一方で、時間や環境とともに人間は変わる。
そのなかで二人の価値観も変化していくこともあるだろう。

お互いが、こどもを含めた家族が、しあわせで結婚が続いていくなら、それはすごくいいと思う。
ただ、
もしも「結婚」というくくりで無理矢理に続けていくことになってしまって、そこに誰かの犠牲があるのなら、意味が無いんじゃないかな。

誰かの犠牲の上に成り立つしあわせなんて、やっぱりおかしい。

よく離婚の話になると、こどもがかわいそうだという話を出すひとがいるけど。
かわいそうだと、なにをもってして言ってるんだろうね。

勝手にかわいそうだと思うことは、傲慢なことなんじゃないかと、ぼくは思う。

パートナー選びにおいての失敗とは、
別れや離婚ではない。

それは、人間という生物を見た時に、とてもあたりまえで自然なことなのだから。

つづく