ヤクザのことならなんでも情報局
ご冗談でしょう、ヤクザさん
第475話/ウシジマくん61
(先週更新していないため、この記事は先週掲載ぶんです)
けっこう時間たってしまっているので、今回はさくっといきます。
滑皮の子分のひとり梶尾が射殺された。犯人は、シシック幹部の竹腹という男である。甲児が行方不明になったのを受けて、滑皮がシシックを仕切りだしたことを、竹腹は不満におもっていた。そこで、知り合いのヤクザである豹堂に泣きついた。豹堂は豹堂で、滑皮を蹴落とす機会を探していた。そうして、彼は、戌亥情報で滑皮の銃を探し出し、これを竹腹に持たせて、殺させたのである。
滑皮が梶尾の死を知った直後の描写はない。落ち着き払って、金を払っている警察のものから情報を引き出している。ずっと落ち着いたままなのか、ようやく落ち着いたのか、これだけではなんともいえない感じだ。
梶尾は縛られていたようでもあった。相当拷問されて、用が済んだところで頭と腹を一発ずつ撃たれて、速やかに殺されたようだ。慣れた手口である、などと刑事の男はいう。
国重という刑事は、心当たりがあるのだとしても、敵討ちは考えるな、やるとしても管内以外で、ということをいっている。大金を払っているので、鳶田は、国重がいい時計をしているのはじぶんらのおかげだと考えているようだ。だが滑皮は冷静だ。刑事に金を払うのは生命保険の掛け捨て金と同じだと。情報がしょぼくても、払った金で等価交換を実行している、というわけではないのだから、それをいっても始まらないのである。
シシックにやってきた滑皮は、幹部の連中をまた正座させ、なにか知っているかを訊ねる。竹腹はびびりまくってふるえている。滑皮はそれを見逃さず、どういう体勢か、壁なしの壁ドンみたいなことして威圧するが、友人が「シャブの後遺症で気持ちの上げ下げが・・・」というようなフォローをして、その場はおさまる。竹腹が豹堂と通じており、しかも梶尾を殺してしまったことはさすがに友人たちも知らないだろうから、これはほんとうにそうなのだろう。しかしあやしいことはあやしい。滑皮は鳶田に、竹腹を洗わせるよう戌亥にいえと指示するのだった。
たほうで黒幕の豹堂と巳池だ。巳池は、潜舵を通じて甲児らにガセネタを流したキャバ嬢をフィリピンに送っているところだ。女は、シシックの連中から逃れるために、巳池が親切で手配してくれているとおもっているが、じっさいにはこれも金になる。現地では人身売買の知人が待機しているのだ。
女を見送った巳池が、豹堂の待つ車にもどる。巳池は竹腹のことが心配だ。予想以上にびびっていて、いつ滑皮にチクるかわからない。今回「そうか」ばっかりの豹堂は、巳池の嫁が経営するネイルサロンの上の空き部屋にかくまってやれと指示する。
滞りなく巳池は部屋に到着する。ゴミだらけで水道も電気もなくしかも相部屋だが、指名手配犯をかくまっていたこともあるそうで、安全だということだ。豹堂は麻薬も用意してくれた。シャブ中の竹腹にはうれしい贈り物だ。これは、押入れのなかに隠れているってことなのかな、竹腹はそこで、ふるえながらやってくるかもしれない襲撃者にひとりイキるのだった。
そこへ吉原という同居人が顔を出す。酒を買ってきたから飲まないかと。部屋にはもうひとり半ケツの男がいる。竹腹は、豹堂への感謝を彼らの前でくちにし、あと女がいれば最高なんだが、というふうにいう。そこで吉原は、ポン中くせえ、換気しろとはなしを運ぶ。竹腹はいま外部の目線がこわいので開けたくないが、細かいこというなといわれて、舌打ちしつつも開ける。竹腹は背中を押されて、事態を飲み込めぬままに落下。その過程を巳池が階段の踊り場から見ていて、即豹堂に連絡する。飛び降り自殺したと。さらに、梶尾拉致の実行犯ふたりは福建省に帰国、もはや梶尾射殺の当事者は日本にひとりもいない状況となったのである。
続けて巳池は、梶尾を拷問して鹿島殺害の件を自白させた音声を鳩山に匿名で送ったとも報告。それを受けた鳩山は、滑皮を呼び出すのだった。
つづく。
やれやれ、想像以上に巳池が仕事できすぎて、信じられないくらいはなしが進んでしまったな。
いまの状況では、梶尾拉致・拷問・殺害の景色がまったく見えてこないが、ヒントはある。刑事の情報と、竹腹の反応、それから巳池である。
刑事によれば、これは慣れた手口だということである。頭と腹を撃っているのは、確実に殺すためだろう。拷問をして、必要なことは済んだから、とっとと撃ち殺してしまった、その迷いのなさに、刑事は「慣れ」を見たのである。あのシシックのメンバーであるから、竹腹も、ひとを殺した経験があっても不思議はない。その意味で「慣れ」があるのかとおもわれたが、竹腹はびびりまくっている。これが、犯行のスマートさとは馴染まない。ここに加わるのが、巳池のいう、拉致の「実行犯」二人である。これは、どうしても『スマグラー』の背骨・内臓コンビを想像してしまう。ねんのためスマグラーをざっと読み返したが、福建省という具体名は見られなかったし、ググってみても、モデルとなりそうな福建省出身の殺し屋は出てこないのだが、僕のなかでこのふたりはもう背骨と内臓ということになってしまっている。竹腹が竹原ではなく、ふしぎに「腹」という文字なのも、にくづきつながりで彼らの連想を誘う。
まあこれは証明しようもないことなのでどちらでもいいのだが、ともかく、犯行のスマートさが竹腹のもたらしたものとは考えにくいという感触がある以上、それはその二人組みによるものである。すなわち、拉致・拷問・射殺ということのほとんどすべてを、そのふたりがやったのだ。あるいは最後に撃たせるときだけ、ふたりの指示のもとに竹腹がやったのかもしれないが、もはやそれもどうでもいいことだ。
ではなぜ竹腹を関連させず、最初からそのふたりにやらせなかったかというと、犯行の経緯が明るみになるかどうかを問わず、そこに物語が必要だからである。重要なことは、たんに梶尾に自白を残して消えてもらうことだけでなく、誰が、どうやってやったかということだからなのだ。そうすれば、滑皮や警察が豹堂に疑いを向けることはなくなるのである。
竹
腹のいた部屋には麻薬が置かれている。巳池の言い方からすると、竹腹の死体はこれまでのように処分されたりせず、ふつうに通報されて、警察が回収することになるのかもしれない。そうすると、部屋が調べられる。電気もきていないし、巳池や、その部屋の持ち主である巳池の嫁は、使っていない部屋にかってに住み込んでいたものとして竹腹をあつかうつもりなのではないか。そうすると、たまたまあいていた部屋に侵入した竹腹が、ラリって、あやまって落下した、ということになる。なるのだが、彼の背景には梶尾の死がある。彼がこの死にかかわっていれば、これは自殺ということになる可能性が出てくる。じっさい、滑皮は竹腹をおどすようなまねをしており、これから銃などを通して出てくるかもしれない証拠を含めて、今後竹腹が梶尾を殺した、ということは、公的に認められてしまう可能性が高いのである。
しかし、では、竹腹が公的に犯人ということになって、なにが起こるか。梶尾は滑皮の右腕であるから、戦力的な面で、これを削る価値はある。が、それよりもやはり、犯行の道具が滑皮の銃であるということが重要なのだろう。いちど犯罪に使用された銃は、なにか細工をしないとすぐわかってしまう。滑皮がそれをしないとはおもえないし、つかったら捨ててしまうはずなので、その線はなさそうだが、指紋やなにかのうっかりミスがないとも限らない。いずれにせよ、豹堂には、じぶんの銃を使う理由がない、というところだろうか。
鳩山に送られた音声がどういうものかにもよるが、滑皮の視点からは、豹堂の計画通りなら、反感をもった竹腹が梶尾を殺し、罪の意識か滑皮への恐怖かで自殺したことになるが、しかし、なぜ彼が鹿島の件で梶尾を拷問しなければならないのか、という疑問は残るはずである。梶尾殺害と自白は同一犯によるものなのであるから、仮に匿名の音声であっても、それが梶尾の声であると断定できなくては意味がないので、やはりそこはつながらなくてはならない。ほころびがあるとすればそのあたりだろうか。
それ以外にも大きな疑問は残る。まず、梶尾は鹿島の件を知らないのではないかということ、そして、知っていたとしても、柄崎が舌をかんで自白を拒んだように、あの梶尾が痛みにたえかねてオヤジの不利になるようなことをいうとはとても考えられないということ、このふたつだ。少なくとも、鹿島のものらしき死体をかためた氷を捨てたじてんで、梶尾はなにも知らなかった。この2年で聞かされている可能性もあるが、だとしてもやはり彼がくちを割るとは考えられないという壁が立ちふさがる。だいたい、映像ならかんたんに梶尾本人だとわかるところ、音声だけというのもなにかあやしい。これはでっちあげかもしれない。
そして、そのことを、巳池じしん知らないという可能性もある。あれほど仲のいい滑皮グループなのだから、巳池じしんの豹堂との関係性からしても、鹿島の件を梶尾が知らないとは彼には考えにくかった。当然知っているはずである。だから、それを吐かせろと背骨には指示した。だが知らないから、薬物などつかってもなにも出てこない。めんどうになった内臓が、もうなんでもいいからそれらしい台詞だけ引き出そう、などと言い出し、音声としてまとめられて巳池に送られた、などというのはどうだろうか。
二人組に限らず、豹堂の周辺はすべて忖度で機能している。そのあたりは、彼のいう「仁義」が見当たらなくても、日本の旧習という感じがする。今回、豹堂は3回も「そうか」といっている。これは、彼が事件についてつねに受身であることのあらわれである。彼は、すべて「報告を受ける」というしかたでことにコミットし、指示というより示唆でこれに応じるのだ。彼は、竹腹がびびってるという報告を受けて、空き部屋でかくまったらと示唆するが、これを巳池は、「そこに連れて、麻薬を用意して、突き落とす」ことだと忖度する。だが、報告上は、そこで彼は自殺したことになる。彼は、巳池を経由した指示の過程においてもほぼ無関係であり、巳池もそれをわかっていて、おそらく「いつものこと」として、これをまるで自然現象のように処理するのである。これは滑皮とは対照的だ。滑皮の行う自重トレーニングからは、彼の責任感のようなものが見て取れる。自重トレーニングは、じぶんの体重、存在を負荷として、筋力をあげていく方法だ。外部からの圧力をはねのける、あるいはラットプルダウンを通じて受容する丑嶋と比べて、実にシンプルで、こじんまりとしているが、それは、彼が、彼であることそれじたいを負荷とした生き方を選択しているからである。だから、もし滑皮が、彼を信頼するものを結果利用することになってしまったとしても、彼にはその呪いを背負っていく覚悟がある。これは、例の半裸の件にもかかわっていくだろう。なにもかも吸収する、と彼がいうとき、そこにはおそらく呪いも含まれている。文字通り、なにもかもを集約させて、背負っていく、それが滑皮なのだとしたとき、動きのある事態から徹底して距離をとる豹堂は、旧式のヤクザであると同時にむしろリアリストなのだ。この反対の立場がどういうふうに異なっているのか、次回以降くわしくみていきたい。
ヤクザにはお得がいっぱい!
名護市の市長選挙には玉城デニー氏は出ていません、動画を見ると玉城デニー氏は自由党の宣伝カーに乗っています、そこへ極右らしき男が現れて標旗はあるのかと詰問しているのですが、4年前のことであり、今までこの件で玉城デニー氏が選挙違反に問われたという話は聞いたことがありません。
以前にもネトウヨは故翁長知事が戸別訪問している画面がテレビで流されたから選挙違反だと騒いだことがありましたが、この件で故翁長さんが警察に調べられるようなことはありませんでした。
違反で摘発するかどうかは選挙管理委員会と警察が決めることであり、今までの数多くの選挙のなかで作られてきた法の運用の慣例というものもあります、4年経っても玉城デニー氏が警察から呼ばれていないということは、名護市長選挙の件は選挙違反とは公的機関が見做さなかったということです。
ネトウヨの選挙違反に関する議論はこの慣例を常に無視しており、左翼リベラル陣営にだけ自分たちで決めた杓子定規な、民有地に一歩でも踏み込んだら戸別訪問で逮捕され当選無効という、現実にはあり得ない尺度で選挙違反認定を行おうとするもので、自分たちに選挙違反になるかどうかを決定する権利があって、警察に事情を聴かれていなくても、自分たちが違反だと認定すれば違反であるとしています。
さらに違反だとする記事にはこんなコメントをネトウヨは付けています。
関西生コンのようなヤクザな組織ともつるんでるような奴だから遵法意識なんてそもそも無いんだろう。中国様の法律を日本に布教したいんじゃないか?w
中国の法律に従う気なんでしょうね
まるでどこぞの人治国家の様ですな。
ルールを守らないあたり、やはりとある共産国家と一緒ですなっw
今の基地賛成派のやり方を象徴するようなコメントですが、4年も前の選挙違反という言いがかりを強引に中国に結びつけています、なんでも中国に結び付ければ相手を陥れることができるといった感覚であり、このような手法が罷り通るほど有権者の意識が、反中嫌韓に強く傾斜してきているという事実が指摘できます。
自民党系の候補者はこんなことをやっています。
このポスターそのものは演説会の案内なので貼ることは違法ではありませんが、持ち主の許可を得て塀などに貼るものであり、電柱に貼るのは軽犯罪法違反になりますし、警告書がしっかりと貼られています。
玉城デニーさん側がこれをやったら、中国の法律を適用しているといった非難が一斉に書き込まれたに違いありませんが、自民党がやっていればネットの世論はなにも言いません。
さのこうじはネトウヨなんてもういないという妄言を吐いていますが、ネトウヨがいなくなったどころか、相変わらずネットの世界はネトウヨの天下であり、それが現実の選挙にまで影響を及ぼすようになってしまっている日本の現実がここにあります。
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第466話/ウシジマくん52
獅子谷甲児の部下である潜舵が、あるキャバクラオーナーの家に脱税で稼いだ金が隠されているという情報をつかみ、ドロボーに入ろうとしているところだ。当初潜舵は顔の割れていないものを用意してくれと甲児にたのみ、そこで甲児は丑嶋のことを思い浮かべていた。甲児はたぶんそのあたりで今夜丑嶋を殺すということを決めていて、それもこみで彼を選んだにちがいない。しかし、現場にはなぜか潜舵も甲児もきている。潜舵はオーナーに顔も声も割れているし、甲児は裏では有名人だから、参加しないほうがいいとおもうのだけど、それもこれも、丑嶋をあとで殺すという計画が投げ込まれたことが狂わせているのかもしれない。
窓から侵入しようとしている4人の賊を、同居している女が目撃する。ガスバーナーで熱くして水をかけ、急に冷やして割る方法だ。なにが起こっているのかうまく理解できない女の前に目出し帽をつけた男達がぞろぞろやってくる。ガラスを割ったので警報が鳴り出し、居間にいる篠田も異変に気がつく。女は拘束され、ビニール的なものをかぶせられてマサル状態に。
篠田は携帯片手に冷蔵庫の陰に隠れていたが、すぐに見つかる。全員覆面だから、誰が誰かわからないが、手掛かりはある。とりあえず、丑嶋と潜舵はメガネを(覆面の外側から)かけている。で、おそらく甲児とおもわれる男は、口ひげが見えている。それから、前回の侵入時の状況から、リュックを背負っているものは潜舵とその連れの金髪であると推測できた。以上のことから、篠田を最初に見つけて脅しているのは金髪くんだとおもわれる。いちおう、潜舵と甲児は声を出さないようにしているとか、そんなことかもしれない。
まず金髪くんは警報をとめさせる。警備会社に連絡して、誤報だったといわせるのだ。金はどこかといわれて財布をわたそうとする篠田だが、そんなはなしではなく、もっと大金である。篠田がとぼけるので、誰かが殴りかかる。この場面で、殴っているものの顔は見えず、その奥にもうひとり棒立ちしていて、これはメガネをかけていない。そしてどちらもリュックを背負っているので、たぶん最初に金髪が脅し、篠田がとぼけるから、聞いていた潜舵がかっとなって殴った感じだろう。
しかし篠田が白状する前に、おそろしく冷静な丑嶋があっさりソファーのなかから金を見つける。じぶんでもよく金を隠したりしているので、どういうところを探せばいいかかんたんにわかるのだろう。それがわからなければ、隠せないのだ。
このときに「ゴミ野郎」といっているのが誰なのかはわからないが、たぶん興奮している潜舵だろう。ついでに丑嶋は篠田の動きが妙だったことを指摘。隠れているあいだにスマホで通報していたのである。携帯の基地局情報から場所が割り出されるかもしれないということで、たぶん甲児の指示で、スマホが叩き壊される。潜舵はずいぶん興奮しているようだ。それで、篠田はそれが潜舵だと気がついてしまう。黙っていたら案外生きのびれたのかもしれないが、そういうわけで、バレてしまった。甲児は女も含めて殺っちゃうかと、あっさり殺人を決定するのだった。
柄崎と戌亥がいっしょにいる描写だ。場所はジムで、柄崎はウェアを着ているので、トレーニングをしていると聞いた戌亥が柄崎を訪れた感じだろう。ベンチプレスしたあとかな。柄崎もやっぱりそれなりにトレーニングはしてるんだな。ほんの小競り合い程度の喧嘩だと、ある程度格闘技をかじってそれなりの技術が身についていれば、あとは体格と筋肉がものをいうぶぶんはかなりある。柄崎もそれなりに強いはずなんだがなあ、なかなか見せ場がない。トップ路線ではないから難解な役とか奇天烈なキャラとかばっかりやらされている実力派のタカラジェンヌを見ているようだ。
戌亥は、例の誕生日会のつぶれた柄崎の画像を見たようだ。だが、どうも滑皮のツイッターかなんかではなく、柄崎のフェイスブックで見たようだ。滑皮はたぶん鍵なしの、全員公開の状態で画像を投稿して、柄崎はそれを保存したか、あるいは直接滑皮からもらったかして、酔いが醒め、むしゃくしゃして眠れなくてじぶんのアカウントに投稿した、というようなことだろうか。仮に滑皮のアカウントが鍵つきだったとして、丑嶋はそれを見ていたわけである。それを、丑嶋がフォローしていて戌亥がフォローしていないとは考えにくい。毎日のようにつきあいのある上司以上にこわい相手であるから、戌亥も滑皮の言動は必ずチェックしているだろ
。そういうふうに考えると、なにかちょっとへんである。意味のない疑問ではあるが、要するに、ここでまだ情報としては出ていない柄崎のフェイスブックを出さなくても、戌亥があの画像を確認することはできるはずなのだ。つまり、メタ的にいえば、このことによって生じている「むしゃくしゃして寝れなかった(から更新した)」という柄崎の発言が重要であることになる。
柄崎はむしゃくしゃしている。とりあえず、滑皮の、金融なんかやめて仲間になれという誘いをどう考えているかはまだわからないが、もやもや納得がいっていないことはたしかだ。それを、柄崎がごく素朴な問いに置き換えて、戌亥にぶつける。なぜみんな社長にからんでくるのかと。
戌亥は、なにか適当におもいついたというふうに、しかしそれにしては細かな説明で、マグネターという中性子星みたいに厄介な存在だからじゃないかという。なんのことだかわからなかったが、戌亥がくわしく説明してくれる。マグネターは地球の2000兆倍の磁場の星で、質量も比ではなく、スプーン一杯で10億トンになるのだという。戌亥が柄崎に体重を問う。柄崎は85キロだと。このひとそんなにあるのかよ。あんまり背は高くないよな・・・。たぶん175センチくらいだろう。それで85キロとなると、全盛期の黒澤浩樹がほぼ同じ体型である。まあ、体脂肪率とかもあるし、禁欲的な生活をしているというタイプではないので、そこまでの密度ではないはずだけど。戌亥なんて柄崎より背が高そうだけどたぶん65キロくらいしかないよね。
ともかく、10億トンというと、85キロの柄崎が118億人くらいになるという。戌亥はこれ暗算したのかよ。というか、85キロもあって118億人となると、地球に生きている人類すべてをスプーンのうえにのせてもまだぜんぜんたりないということなのね。
とにかくとてつもない質量、そして磁力の星だ。もしそこに生命がいけば原子レベルまで分解されてしまうし、星の振動0.1秒で太陽の10万年分のエネルギーの爆風を放つと。ここまでマグネターの想像を絶するパワーを説明して、戌亥は迷いなく、丑嶋はマグネターみたいだという。近づくものを破滅させる危険な存在なのだ。そして、滑皮も獅子谷も、どこかでその底知れなさに気づいているとまで指摘する。
戌亥が、おそらくここへきた理由、今日の本題に入る。丑嶋は金をとられたあと必ず滑皮たちに殺される。丑嶋は意地を張っているが、ヤクザに脅されているということで警察に保護してもらってはどうかと。
さらに、戌亥は滑皮からの以来で獅子谷の素行調査も頼まれているという。それでわかったのが強盗の件である。甲児は丑嶋を連れまわしている。今夜、丑嶋は殺されるかもしれないと。
つづく。
戌亥は「滑皮さん達」といっているので、金をとられたら殺される、というとき、戌亥のなかでその「殺す」の主語は、必ずしも滑皮ではないということのようだ。誰がやるのかはわからない。滑皮が計画的に行うかもしれないし、甲児が我慢できなくてやっちゃうかもしれない。それはともかくとしても、金を奪われたら丑嶋は殺される。戌亥はそういっているのである。逆にいえば、金を奪われなければ丑嶋は殺されない。いま丑嶋の命を守っているのは、彼がこれまで蓄えてきた金なのである。こういう見方を採用すると、欲望も、感情も、暴力も、なにもかもが金に換算しうる、という立場をとりつづけた丑嶋が、ヤクザくん以降その全能性を失いつつも、ひょっとするとまだ世界の手綱をつかんだままなのでは、という可能性も出てくる。たしかに滑皮も、甲児に対して、金を奪ってから殺せ、というようにいっていた。誰もがそういうのである。丑嶋を殺そうと考えた誰かが、その場で実行に移さないのは、丑嶋にはまだ金があるという確信があるからであって、それは、実は丑嶋の採用してきた立場がもたらしているものなのである。
なぜみんなが丑嶋にこだわるのか、柄崎はそのように素朴に問う。これに対して、用意していたかのように(表面的にはいま思いついたように)、戌亥はマグネターをたとえに出す。いちおう浅く調べてみたが、そのほかに特徴として、寿命が短いということや、ブラックホールとは異なる質のものであることなどがわかった。ネット上のどの記事を読んでもややこしくて、ちょっとゆっくり読んでもいられないので適当な認識だが、要するに、質量としては太陽の何十倍にもなって、ほんらいであればブラックホールになっているべきものも確認されているらしい。あまりに重い星は、超新星爆発を起こしたあとブラックホールになる。しかし、なんらかの理由で質量を奪われた状態で爆発すると、マグネターになる、というようなことのようだ。
マグネターは大きさとしてはそれほどでもないが、そのぶん非常に高密度であり、重力もすさまじい。だが、物体としてそこに存在している。たほう、もっと重いブラックホールは、一般的には観測ができないとされていた(調べたら観測に成功したというようなニュースが去年あった)。だから、吸収されていくものの軌跡や、そのほか周辺の星が発する光などを通して間接的に調べることで、「そこになければおかしい」という具合に、帰納的に推測するほかないのである。
マグネターが一般的にトレンドになっていて、周知されているようなものであるならわからないでもないが、しかしここで戌亥がブラックホールでなくマグネターを選んだことには、なにがすけて見えるだろう。マグネターという響きはいかにも磁力を含んでいて、多くのものが丑嶋にひきつけられ、そして破滅していく現状を説明するにはうってつけである。しかし、それはブラックホールもそうではないだろうか。マグネターの磁力が、周辺の惑星にどのような影響を及ぼすかは、調べてみたがよくわからない。が、それとは別に、ブラックホールほどではないが、すさまじい重力の星であることはまちがいない。この文脈において使われる比喩として、両者はなにがちがうだろう。
なにもかも、具体的な情報にかんしてはたったいまググって手に入れたものなので、話半分に読んでもらいたいが、それはやはり「観測できるかどうか」ということではないかとおもわれる。以前までの丑嶋はどちらかといえばブラックホールだった。とりわけ甲児にとってはそうだろう。丑嶋は、兄の死に明らかに関与している。しかし証拠はないし(柄崎が轢いてるけど)、直接の犯人である椚とも表面上つながりはない。しかし、この件のどこをめくっても、丑嶋が顔をのぞかせている。「関与していないはずがない」と、そのようにしかとらえることができないのが、丑嶋という人間なのである。滑皮にとってもそうだろう。彼には戌亥がいるので、熊倉射殺の件については知っているが、鼓舞羅のときはどうだろう。あのときは、柄崎が熊倉に電話をかけたことで、鼓舞羅は暗闇で熊倉を丑嶋だと勘違いして攻撃してしまったのだった。滑皮はたしかその携帯についても言及していたはずである。あの場に丑嶋がいたということもある。丑嶋と鼓舞羅はもめていた。このことも滑皮は戌亥から聴いているだろう。だが、さすがの戌亥も、柄崎が電話をかけたことまでは知らないだろう。この件にかんしても、滑皮は「どう考えても丑嶋が関与している」と考えたかもしれないが、直接観測することはできないのである。
このようにして、これまでの丑嶋は、惑星がひとつの場所に吸い寄せられ、分解されていく様子から、ブラックホールがそこにあると推測するしかないように、ひとびとがひとつの場所に吸い寄せられ、分解していく様子から、その件の中心に丑嶋がいると推測するしかないような存在だったのだ。だがここで戌亥は、ブラックホールではなく、聞きなれないマグネターを比喩として用いる。じっさいにはブラックホールからマグネターに変化するということはないようだ。両者は、爆発のじてんの質量や磁力で分岐しているのである。しかしここで問題なのは戌亥がその語感になにを託しているかである。どちらも、周囲のものを引き寄せて、破壊してしまう。だが、ブラックホールは観測できない。たほうで、マグネターはたしかにそこにあるのである。丑嶋がブラックホールのままなら、危険を感じた甲児などが、先手をうって丑嶋を殺してしまうなんてことはできない。なにしろ、そこにいないのだから。けれども、同様に周囲を破滅させる存在でありながら、物体として存在するマグネターにかんしては、対応ができるかもしれない。戌亥は、ただ丑嶋の危険性と、それをふたりが察知しているということだけをいっているのではない。だからこそ危ないのだ、というはなしを、柄崎に聞かせているのである。
むしゃくしゃして眠れず、戌亥にそんな問いを投げかけるのは、柄崎にもわからないことばかりだからだ。彼のなかでは、社長も、滑皮の誘いも、戌亥の助言も、すべて保留された状態になっているだろう。判断がつかないのである。
そんな柄崎に、戌亥は警察に行けという。警察に守ってもらう丑嶋はもはや超人丑嶋ではなく、したがって、それをサポートするものとしての「最強の柄崎」も成立不可能となる。ここからさきは、彼がどこにプライドをもつのかという問題になる。もし柄崎が、丑嶋はどうあっても超人であるということをこのさきも信じることができれば、最強の柄崎は成立するのであり、だから警察に走ることもない。同じ程度に親しく、丑嶋のことをお
もう柄崎と戌亥の、なにが異なるだろうか。戌亥は、丑嶋との関係性にプライドをおいてはいない。描写がたりないので分析は避けるが、ある種の憧憬のようなものを基調として、芝居で構築されている現状の生活の底部に、ゆるがぬものとして想定できるものとして、丑嶋との関係性をとらえているふしがある。ことあるごとに描かれてきたが、丑嶋との駄菓子を経由した関係もまた、芝居のひとつではあった。しかしそれは、じつはだれでもそうである。ラカンでは、自我さえ鏡を経由したフィクションである。意識的にか無意識的にか、戌亥は駄菓子を経由して語り合うそのイメージ図を、ゆるがぬもの、コアのようなものとして、後天的に仮構したのである。
おもに対滑皮ということになるが、戌亥には仕事を行ううえで装着しなければならない仮面がある。彼は、その仮面をはずして、のんびりできる空間を、丑嶋と駄菓子を囲うことで構築してきた。しかし、現実にはそれも相互に規定しあうものであって、仮面の内側にあるというより、等価なものである。多くの場合、わたしたちは自我のなかに「素のじぶん」と呼ぶことの可能なコアを想定し、公的な局面で複数の仮面を使い分けることで社会生活を営んでいる、というセルフイメージを抱えている。だから、それぞれの局面では芝居をしているのであり、そのたびにコアは損なわれ、ストレスを抱えることになる。作家の平野啓一郎が提唱する分人主義は、そもそも、最初にコアを想定することがまちがいなのではないか、ということだった。仮面を装着して営まれる個別の相すべてが、おのおの「素のじぶん」なのではないかと、このように考えるようとするのである。戌亥はその個人主義(コアの上に仮面をかぶる)と分人主義(仮面とおもわれてきた表情すべてがわたしそのものである)の中間的な立ち位置をとっているようにおもわれる。彼にとっては、対滑皮も対丑嶋も、それなりの芝居で成り立っており、同時に、どちらも「素のじぶん」にほかならない。だから、丑嶋とはなしながら嘘をつくこともできる。しかし同時に、両者の位置関係をじぶんのなかで調整することで、ある種の聖域を作り出してもいる。そうして、すべての相がほんもののわたくしであるとしながら、同時に相対的に仕事を行う自己を芝居によるものだとすることで、良心のためかあるいは「憐れみの情」のためか、嘘をつく生き方を保護しているのである。
たほうで柄崎は、あからさまにエゴで丑嶋を守る。こう書くとひどい人間のようだが、これはこれで生き方のひとつだろう。柄崎は、じぶんのアイデンティティのために、丑嶋には超人であってほしい。丑嶋が唯一無二であれば、それをサポートするじぶんも唯一無二になるからだ。こうみると、ふたりは決定的に異なりながら、同時に似ているところがある。柄崎は、じぶんの存在のために丑嶋に超人でいてほしい。それが戌亥では、みずからの生き方の聖域の住人として丑嶋には無事でいてほしい。どちらも丑嶋との関係性を保とうとしながら、求めるものがまったく異なっているのだ。
当初強盗を断っていた丑嶋だが、ことがはじまってしまってからは、アウトローっぷりを発揮して、けっこうのりのりで行っているようである(とっとと終わらせて帰りたいだけだろうが)。丑嶋は、どうやれば家に隠した金が見つからないかをくりかえし考えてきたことだろう。だから、考えの浅いものの隠した金ならすぐ見つけられる。みずからが金を隠す際に、その可能性は通過しているからである。
そうしてあっさり大金を発見したところで、甲児の表情が描かれている。これはたぶん、以上のようなことを甲児も考えたのではないかとおもう。彼は、どうやるつもりなのか、このあと丑嶋を殺すつもりだ。だが同時に、丑嶋が隠している金をすべて見つけなければならない。そのうえで、たやすく金を見つけた丑嶋に、その試行錯誤の過程を見たのかもしれない。
そして、話どおりならこれから彼らは篠田を殺すことになる。甲児はなにかこれを丑嶋にやらせそうな気がする。そこまでの状況になっても丑嶋はまだ甲児にしたがうだろうか。
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ヤクザ変身は感動。
一昨日は、定例の小さな集まりがあって行って来ました。食事をしながら情報のやり取り、気楽な話や深刻な話もしますが、貴重な時間です。6500家庭の私たち夫婦が一番年下なので、何かと勉強にもなります。最近、パイオニアカフェを賑わした「朝鮮族の二人が韓国に入国」「4人のターゲットになっている人は身辺に厳重注意」の勧告がありました。何か映画かドラマの中の話のようですが、事実でした。聞くところによれば、公的機関からの警告でした。こんなことがあっていいのでしょうか ? 殺人事件など起こすようなことがあれば大変です。家庭連合は何を考えているのでしょうか ? !
お父様の聖和式があった時、顕進会長を遮るために「人間バリケード」を日本幹部食口を中心に作ったことを覚えているでしょう。あの背後にヤクザグループが構えていたことを知る人は多くないかも知れません。家庭連合は、こういうことをしています。
「朝鮮族の二人が韓国に入国」したので、「4人のターゲット」になっている人は各自が身を守るしかありません。万が一の事がないように願います。