ヤクザについてみんなが忘れている一つのこと
※BL妄想小説です
閲覧にご注意くださいね
「でかけるぞ」
大野のあとに、渋々ながら従う。
出向かう以上自分にも意地はあるし、
引き下がるわけにはいかない。
後部座席に大野と乗り込むと、
すぐに走り出したベンツは駐車場を
出て、公道へ進んで行った。
少しすると大野は眸を閉じて瞑想
でもしているのか、その表情は
険しいものではない。
むしろリラックスしているようにも
見える。
自分はとてもそんな気分になれず
窓の外に視線をやれば、併走して
いる黒いセダンが目に入った。
セダンは、この車に寄りそうように
ぴたりと走っている。
後ろを見てみると、
やはり黒のセダン。
前も同じだ。
信号が黄色から赤に変わる直前
には、前を走る車に続いて横の車が
交差点へと滑り出て、左右の車が
アクセルを踏むのを防ぐかのように
そこで速度を落とした。
その間に悠々と、大野を乗せた
このベンツが交差点を通り抜ける。
あとはまた同じ体制になった。
ドラマなどで見たことはあるが、
実際に見たのは初めてだ。
これが人盾ならぬ、
車盾というものか。
民間人には迷惑なだけだが、
ヤクザの世界では常識なのだろう。
停車した時に外から弾を撃ち込まれ
でもしたら大変だからだ。
出来るだけ停車させないほうが
いいのは当然のことだ。
それにしても―――松本さんから
大野のことを若頭だと聞かされて
いたが、もしかしたら実際には
組長の椅子もすぐ目の前まで見えて
いるのだろうか。
三十五歳で組長とは異例過ぎるとは
いえ、これが大野ということなら
全く有り得ない話でもなさそうだ。
だからこそ、
この厳戒な扱いではないのか。
組員にとって”親”とは自分の命を
かけて守るべき存在と聞く。
”親”がいる限り、自分たちも安心して
大きな顔をしていられるのだから。
すなわちそれは、大野は常に危険と
隣り合わせだということにもなる。
再会してからこっち、大野がヤクザ
であるという事実を何度も突きつけ
られる。
自分とは縁のない世界に生きてきて、
それはこれからも変わらない。
それどころか、その境界線は白黒
はっきりと別れていて曖昧になる
ことさえない気がする……。
「到着します」
「ああ」
左折して間もなく、
路肩に四台の車が停車する。
真っ先に降りた運転手が、
後部座席のドアを開けた。
大野に続き、自分も車を降りる。
周囲を、黒いスーツの男たちが
ぐるりと囲む。
緊迫した雰囲気に気圧されつつも、
スライドオートドアの門扉の前に
一緒に立った。
塀はコンクリートだが、建物は
立派な木造瓦葺の二階建てだ。
インターホンで来訪を告げると、
門扉が開く。
砂利を踏みしめ大野の後ろから
ついていく間にも、玄関から
十数人の男たちが駆け出してきて
大野を迎え入れる。
緊張はしているのだが、腰が引けて
いないのは今度は一人きりではない
から。
大野がこの場に一緒にいるからだと
いうことは認めざるを得ない。
和室に通されると、こちら側は
大野だけがテーブルについた。
残りの男たちは部屋の入口に正座
して並ぶ。
自分はというと、大野に示される
まま大野の真後ろ、組員の中では
一番位の高そうに見える男の隣に
腰を下ろした。
その男から折り目正しく頭を
下げられ、同じように返す。
確か、俺が拉致された時ホテルに
乗り込んできた組員の中でも見た
顔だ。
一人だけ大野と歳の近い、三十代
半ばそうだったから意識が朦朧と
していたとはいえ何となく憶えて
いる。
大野は彼を「櫻井」と呼んだ。
続く
翔ちゃん46話にてやっと登場
しました~(台詞はまだだけど
)
39話で智くんが冒頭で「あとは頼む」
と声をかけていたのは翔ちゃんです。
作品保護と自身の保護のためアメンバー
管理を随時行っています。
お手数ですが、お話を読んだあとはその都度
「いいね!」を残していただけるようお願い
します。
ご協力いただけないアメンバーさん、あまり
こちらに見えていないと私が感じたアメンバー
さんは、整理対象者となることをご了承ください。
ヤクザ 祝 子育て満開
※BL妄想小説です
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「ここはプライベートルームで
お客様の立ち入りは禁止に
なっています。
いますぐお引き取りください」
「堅いこと言うな。
一人で飲むのはどうも味気ない」
右手のグラスを振り、カランと
球体の形をした氷を鳴らした
大野は後ろ手にドアを閉めた。
「でしたら次回からは
どなたかお連れください。
とにかくここは、お客様の
立ち入りはご遠慮いただいて
おります」
ついでにたったいま報告を受けた
ことも持ち出した。
「それから、余計なことは
なさらないでください。
常時ヤクザに張りつかれて
よくない噂が立ってしまうと
それこそ迷惑なんです」
それでも大野は構わず歩み寄って
くる。
二人を挟んでいたデスクを突破され
すぐ目の前に立たれてしまっては、
言い知れぬ緊張感が背筋を走った。
「おまえは嫌かもしれないが
これだけ目立つようになれば
この店だけ治外法権という
わけにはいかない。
これからはいままで以上に
うるさい連中が集まってくる」
「そんなこと……」
決めるのは松本さんだ。
それにこうなると俺はもう、大野と
関わり合いにさえならなければ、
それでいいような気にもなってくる。
押し黙った俺に、
大野は表情を和らげた。
「相変わらずだな、和也。
おまえは若いわりに頭が固い。
俺の家に来た次の日、黙って
金を盗って逃げないどころか、
オートロックの暗証番号さえ
見ていなかったという十年前と
何も変わっていないんだな」
「あんたに……関係ないだろっ」
ムッとして顔を背ける。
そんな古いことを大野が憶えている
こともそうだが、さらにそれを口に
出して言われるのは腹が立つ。
「まぁ、
それもおまえのいいところだ」
この一言にはムッとするどころか、
カァッと頭に血が上る。
判ったふうな口を利かれたくない。
今度こそ冷静に対応するつもりが
大野のペースに脆くも崩され、
我慢出来ずに声を荒げた。
「いまさら俺にかまって
何が楽しいんだよっ!
言っただろ、
放っておいてくれって。
俺にかまうなっ!
俺はあんたと関わりたく
ないんだっ!」
「和也」
「だからその呼び方も……」
グラスを持っていないほうの手が
いきなり伸びてきて、俺のネクタイを
ぐいっと掴み上げる。
一瞬、本気で首を絞められるのかと
ヒヤリとした。
「何す……っ」
だけどそのままの状態で大野は
屈み、ほんの数センチの距離で
顔が接近する。
躊躇する間もなく吐息が触れて、
思わずきつく唇を引き結んだ。
「和也」
触れそうで触れない位置まで近づき、
俺の名前を呼ぶ。
それだけで引き結んだはずの唇は
震えて、いまにも解けてしまいそう
だった。
突き飛ばせばいいのに、
何故かそれも出来ずに息を殺す。
何度か顔の角度を変えられるが、
必死で歯を食い縛って堪えていると
唐突に襟元が楽になった。
どさりと椅子に崩れ落ち、体から
力が抜ける。
同時に大野との距離も元に戻る。
水場のない陸に打ち上げられた
魚のように、酸素を求めて何度も
胸を上下させた。
乱れる動悸を整えるように。
「傷つくな。
昔はさせてくれたのに」
「い……いかげんにしろよ」
少しも傷ついてはいない顔を睨み
つけ、上擦る声音に嫌悪感を精一杯
込めて吐き捨てた。
「おれだってもう、
世間知らずなガキのまま
じゃないんだよ。
簡単に流されたりしない。
少なくともあんたの思い
通りには絶対にならない!」
あんな目に遭うのは二度とご免だ。
大野の部屋から逃げ出す時の恐怖と
怖さを、いまもよく覚えている。
大野がヤクザだと知った時の怖さ
とは違う。
あの時は騙されたというショックと
自分がどうなってしまうのかという
怯えだった。
逃げ出す時に俺が恐れていたものは
それではない。
大野に見つかったらどうしよう、
大野は何て言うだろう、
そのことばかりだった。
けれど、
それは取り越し苦労に終わった。
見つからなかったし、
そもそも大野は捜しもしなかった。
大野ほどの人間が、俺を見つける
ことなど容易かったはずなのに…。
逃げても追いかけてきてくれないと
知ったあの時の、
大野にとって自分は所詮その程度の
人間だったと実感したあの時の、
―――惨めな気持ちを二度と
味わいたく
い。
決して捜してほしくて逃げ出した
わけではないのに、何故かそんな
ことを思ってしまっていた。
大野がため息をつく。
意地でも目を逸らさない覚悟で
真っ直ぐ睨みつけていると、
困ったように眉を顰めた。
「そうか。 ただ俺のほうも
昔とは違うつもりでいるんだが」
「…………」
じくじくといつまで経っても
治らない傷のような痛みに
気づかないふりをする。
絆されたりなんかしない―――。
続く
いつもの時間に34話上げます。
(たぶん、間に合うはず)
作品保護と自身の保護のためアメンバー
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ご協力いただけないアメンバーさん、あまり
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4行でわかるヤクザ

*第7位*
イ・ソジン
*第6位*
イ・ボムス
韓国映画を観ていると、どこかで有名な映画には必ず?って言っていいほど、見たことのあるイ・ボムス。映画一筋かと思っていた彼が、2000年から急にドラマ界へ出演が増えました。
ドラマ界進出のしょっぱなの「外科医ポン・ダルヒ」。このドラマでの、冷酷しかし実は心はとても孤独であった外科医アン・ジュングンを演じ、このイ・ボムスにはとりこになりました!
*第5位*
イ・ビョンホン
*ゆきりんの「表」ブログも見てね*
*韓ドラ会LINE@*
見ろ!ヤクザがゴミのようだ!
ヤクザが大好き♪

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びっくりしました、気づいてませんでした。笑 なんかごめんなさい、さっき送った二枚の写真で勘弁してください😂
写真撮ったのはいいけど送れないじゃんって思ってた… https://t.co/08sWKsf2KG
恐えぇ~
そういえば、徳村さとるの恫喝音声もヤクザそのものって感じやったけど、彼はかたぎなんですかね?