不覚にも秀吉に萌えてしまった
UPPER PRESENTS
舟木昭太郎のトークとオークションの午後PART18
世は世紀末ぞ。快楽に浸れ。
参加者20人突破!申し込みはお早めに!
2018.8.26(日)
「真夏の狂宴3」
~猛暑を蹴り倒せ!~
キックの鉄人・藤原敏男、マッハパンチ・猪狩元秀の二人のレジェンド格闘家を迎え放つ、真夏の狂宴。
狂った夏に、狂った宴!
紳士淑女も狂え、世は世紀末ぞ。
食べて、飲んで、格闘技を語れば
人生パラダイス!
日時:2018年8月26日(日曜日)13:00~16:00
場所:幡ヶ谷・中華料理「名菜館」(めいさいかん)
〒151-0071渋谷区本町1-20-2 TEL03-6383-3053
京王線幡ヶ谷駅北口から徒歩4分。
甲州街道を初台、新宿に向かって高速道路沿いに歩く。
定員:37名限定
会費:5,000円(男性)4,500円(女性)食事+飲み物付き(フリードリンク)
※持ち込み自由、各自好きな酒を持参ください。
<申し込み締切り>8月21日(火)まで
◎お問合せ&お申し込み
メール/LINE/MESSENGERのいずれかで「参加希望」と明記
住所/氏名/年齢(任意)/電話番号を以下までご連絡ください。
㈱アッパー
〒151-0066渋谷区西原2-2-4 TEL.03-3469-0620
mail:、
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■[随感]慶応の長髪に民主主義
~高校野球、もうサイレン止めたら~
■[独裁]いま太閤山根会長の末路
~見過ごせないボクシング連盟の悪事~
■[農業]甲子園100年、金足農高の躍進
~日本は農業国だという事を忘れるな~
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[随感]慶応の長髪に民主主義
高校野球、もうサイレン止めたら
夏の高校野球もたけなわ、照り付ける太陽、湧き上がる入道雲、球児達の躍動、高校野球は夏が良い。♪雲は湧き 光あふれるて 天高く 純白の球 ~、「栄冠は君に輝く」の名曲はわが福島県が生んだ作曲家古関裕而によるものだ、不朽の名曲、この歌を耳にすると何故か目頭が熱くなる。一糸乱れぬ球児らの行進は、若干の戸惑い、軍国調で嫌な面もあるが、反面その直向きさには共感を覚えしまうのだ。規律の美を我々はどこか心の隅で求めているのかもしれない。
サイレンに始まる行進は、球児に失礼ながらあの雨中の学徒出陣の場面を連想してしまう。整然たる行進、戦場へ赴く歴史的壮行の儀式だったればこそ脳裏を離れない。とまれ、もう試合開始のサイレンは、100回を区切りにお止めになったら。いつまでも戦前を揺曳するような警戒警報でもあるまい。モダンなチャイムを考案すべきだ。慶応の球児は帽子を脱ぐと、長髪、ここに民主主義あり、私はそう感じた。
[独裁]いま太閤山根会長の末路
見過ごせないボクシング連盟の悪事
訳の分からぬ引退会見だ、日本ボクシング連盟山根明会長(78=韓国釜山生まれ、後日本に帰化)、形(なり)は任侠、吐いた言葉は唯のオヤジ。助成金不正流用や不正判定などの告発された問題には一切触れず、ドンの最終ラウンドにしては情けない幕引きだった。この出自も定かでない、しかも高校・大学でボクシングを遣った形跡もない人物、どうしてアマチュアボクシングの頂点に上り詰めその権勢を欲しいまま「終身会長」にまで上り詰めたのか、まか不思議である。
例えれば水飲み百姓から身を興し、信長の草履取りで足掛かりを掴み、遂には天下を手中に収めた、かの太閤秀吉のサクセスストーリーに通じるものがある。ズブの素人が、アマチュアボクシングに入り込んだ経緯を知りたいものだ。一旦潜り込めば、暴力団の舎弟としての看板で睨みを効かせ、着々勢力を伸長、異論を唱える者には恫喝で蹴落とした彼の手法が想像できよう。用具の独占販売、判定介入疑惑、過剰接待等々、会長代行が息子昌守氏とあれば、世襲の構図、これを私物化と申す。山根独裁政権は差し詰め北の金正恩だった。
30人いる理事も同罪だ。唯々諾々、阿諛追従、山根会長をのさばらせ、挙句は終身会長の肩書まで与えた。松下幸之助じゃあるまいし、歴とした法人がである。ロンドン五輪ではこれまた素人の息子が村田諒太の決勝戦でセコンドをしたそうな、あまつさえ国体では我が敬愛する天皇陛下御夫妻に山根会長が御進講なされたと聞き、事実なればなんとまあ畏れ多いことと怪しげな出自も精査せず、文科省(スポーツ庁)も、呆れたものだと腹が立つ。
自宅の表札には「日本ボクシング連盟終身会長山根明」とある。どうせならM組舎弟と代紋もあれば、ハッタリも効いたものを。ここに至っては理事30人全員の退陣は勿論、新たに選出された理事で山根会長を日本ボクシ連盟から糾弾永久追放処分にせよ、このままうやむやにしてはならない。法人のそれがの義務。陣容一新再出発。肩書を失った唯の老人、助ける仲間もいまいから、過剰接待の数々、公金横領等間欠泉の如く噴出すは必至であろう。悪事身にとまる。これほどでたらめなアマチュア団体も聞いたことがない。
[農業]甲子園100年、金足農高の躍進
日本は農業国だという事を忘れるな
農業高校が年々退潮するなかで、秋田金足農業高の活躍は喝采を叫びたい。鹿児島実業との試合で、吉田輝星(こうせい)が快投、15奪三振、5-1で初戦を突
した。大会NO1の誉れ高き投手らしい、なるほどダイナミックな投法で、球は打者の目の前でホップする勢いだから、ボールでもつい手を出してしまう。奪三振25の大会記録を持つ坂東英二(徳島商→中日)を彷彿させる。間違いなくプロの逸材だ。どの球団が籤を引き当てるかいまから注目している。ルックスも男前、人気も出るぞ。
日本は産業立国であると同時に忘れちゃいけない農業立国だ、全土の7割近くが森林、そこから流水する縦横無尽の河川、肥沃な大地は四季があり稲作を中心に多様な農作物を生み出す自然の恵み。それがどうだ、農地は荒れ放題、後継者もいない。こんな有様を私は憂う。生命の源である食をどうするつもり。だから農業高、旗を高く掲げ、いざ行け金足農業高校!
まだ8月はじめだというのにヤマボウシの実が赤く色づき出した。 例年なら9月下旬頃が実が熟す。1カ月以上も早い、これも異変。
こちらは熟しきれない青いトマト、最後の頃になると茎が水を吸わなくなる。畑を整理したら沢山出てきた。
始末に困ってネットでレシピを探したら、なんと青トマトの利用法があった。
左は浅漬けの素で漬けたお新香。
右はピクルス、両方ともすこぶる美味。
★DVD再入荷のお知らせ★
お待たせ致しました!完売となっていたDVDが入荷しました!
「カンムリワシ 具志堅用高」
~ 世界タイトル全15戦 ~ 第1部 [戴冠]
商品番号UD-1、4,762円+税
(制作著作発売:TBS、販売:UPPRER)
※下記会社からもアッパーDVDの申込が出来ます。
【株式会社クエスト】
TEL:03-6380-3031 FAX:03-3209-5535
東京都新宿区高田馬場1-28-10三慶ビル3階
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家康・信長・秀吉の三武将とシャチホコ
薄いけれど しっかり堅めの海老煎餅です
ヨーロッパで秀吉が問題化
慶尚南道 蔚山(ウルサン)
地図
バスターミナルから歩き 蔚山倭城址のある鶴城公園 (학성공원)が見えてきました
この大通りをまっすぐ進めば公園入口があるのですが
何を血迷ったか私は小路に曲がりました
公園の周りをぐるっと回る形で裏の入り口を見つけ
こんな道を上がることに 良い子は正面入り口から入りましょう
途中 倭城址らしき石も
上まで上ると この辺りが二の丸があった場所
その脇が本丸入口
本丸
本丸は見晴らしの良い場所にありました
蔚山倭城は秀吉による朝鮮出兵の際 加藤清正によって築かれた城
完成目前に明と朝鮮の連合軍に包囲され 壮絶な攻防戦が行われました
水と食料が底を尽いた日本軍でしたが 援軍が駆け付け応戦
これが蔚山城の戦いです
佐賀県名護屋城博物館
そんな戦いの場も今は憩いの公園に
立て看板に椿の写真があります
この地に咲いていた椿を日本軍が持ち帰ったのですが その子孫が今も京都の椿寺に残っています
一本の木から色とりどりの花が咲く五色八重という品種で 蔚山から姿を消してしまったのですが
近年になって椿寺の苗木を蔚山に贈り その一部がこの公園にも植えられたそうです
京都・椿寺の五色八重
出典
初代は枯れてしまいましたが挿し木しながら大事に育てていらっしゃるようです
これらの兄弟が蔚山に戻ったんですね
今は一部のみが残っている蔚山倭城址
小さな丘で10日以上も戦いがあったとは…胸が詰まります
가슴이 아파요
可憐な花が咲いていました
蔚山倭城址 (鶴橋公園)
地図
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色んなショップの秀吉をリサーチ!
ネタバレ注意。
主人公の名前は「かな」です。
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(ん……。なんか、重たい)
寝苦しさを感じながら目を覚ます。
障子の外はまだほの暗くて、夜明け前だとわかった。
「あ……」
仰向けになった私のお腹に、幸村の腕が乗っかっている。
(寝相悪いんだな、幸村って…)
私のすぐ隣で、幸村は眉間にしわを寄せて眠っている。
幸村の腕はちょっと重くて邪魔だけれど、でも、このままが良かった。
(……幸せって、こういうことをいうのかもしれない)
眉間のしわを、こっそり指先で伸ばそうとすると…
幸村「んー……」
「あ、ごめん…起こした?」
幸村「おー……まだいける。あと一杯おかわり……くれ…」
「は?」
すや…っと寝息を立て、幸村がまた目をつむる。
(今の……寝言!?)
笑い出したくなるのと同時に、愛おしさで胸がきゅっとなった。
(あーあ……。大好き)
お腹に乗っている腕を一度どかし、私は幸村にくっついた。
幸村「ん…、かな…?」
「あ…」
幸村「…もう、起きたのかよ」
「う、うん…」
(今度は本当に起こしちゃったな)
身体を起こそうとするけれど、幸村の腕が肩に回り、胸の中へ閉じ込められる。
幸村「まだ夜明け前だ。もうちょい寝てろ。じゃねーと俺が起きた時、お前の寝顔見られねーだろ」
(何それ…)
ふっと吹き出す私の額に、幸村が優しく口づけする。
幸村「笑ってねえで…言うこと聞け」
「……うん。あ、さっき、寝言言ってたよ」
幸村「…え?んなわけあるか。俺は寝言なんて言わねー」
「でも、言ってた」
幸村「……なんて?」
「『かな、お前は最高だ、愛してるー』って」
幸村「はぁ…っ?」
(あ、騙されてる)
嘘だよ、と言いかけた時…
幸村「っ……お前それ、もう一回寝て起きたら忘れろ。目ぇ覚めてる時に、ちゃんと言い直す」
(え……っ)
不本意そうに告げる幸村は少し赤くなっていて、私も湯だったように頬が熱くなる。
「あ、あの、今のは……嘘です」
幸村「え…っ。……お前なー……」
幸村は眉をつり上げ、がばっと私の襟元を暴き、私の首筋に、めちゃくちゃに口づけを降らせた。
(っ…くすぐったい…)
-選択肢-
ごめんなさい ◎
「ごめんなさい…っ。ぁっ…謝るから、もう、しないで…」
幸村「っ……そーいう反応されるよ、もっとしたくなるんだけど」
「っ…何言ってるの。もう終わり!」
襟元をかき合わせて首を隠すと、幸村の指先が髪に絡み、引き寄せられた。
幸村「かな、お前は最高だ。……ほんとに、愛してる」
「え…」
幸村「っ……じゃ、もう少し寝ろ」
そっけなく言って、幸村が目をつむる。
(っ…………)
なぜか涙が出そうになって、私は幸村の胸に顔を埋めた。
(あったかい…)
とくとくと、幸村の心臓の音がじかに伝わってくる。
(どうしよう……。幸村とこの先、離れられる気がしない。幸村がいない毎日なんて想像できない。戦国時代でも現代でも……こんなに必要だって思う人、他にいない)
寄り添える今この瞬間が、幸せで、とても切なかった。
(ほんとに、あったかいな…)
朝が来るまであと少し、私はこの温もりの中で眠ることにした。
その日の昼、春日山城の広間で、ついに同盟締結のための会議が開かれた。
(このふたりが信玄様と謙信様…。前に、少しだけ顔を合わせたことがあるけど、こうしてちゃんとお会いするのは初めてだな)
織田軍側には厳しい表情の秀吉さんと政宗、そして…いつも通り余裕めいた笑みをたたえ、信長様が腰を下ろしている。
人質として参加することになった私は、広間の末席で身を縮めた。
(このメンバーが並んでるだけで、すごい重圧……)
幸村「同盟の内容については、双方ご説明した通り。合意いただければ、すぐにでも顕如討伐へと向かう所存です」
謙信「――…つまらんな」
(え…?)
謙信「信長との戦を先延ばしとは、あくびが出るわ」
幸村「謙信様、『つまらん』かどうかという問題ではないのです。それに、同盟はあくまで一時的なもの。ご理解ください」
言葉は丁寧だけれど、幸村の顔には『めんどくせえ』と書いてある。
謙信「まあ良い。邪魔立てする輩を払いのけた方が、のちの楽しみは増える。ただし、同盟締結の条件がひとつある」
幸村「何なりと」
謙信「早々に顕如を捕え、同盟など破棄しろ。退屈で仕方がない」
幸村「ええ、元よりそのつもりです」
謙信様はかすかに頷き、形の整った薄い唇を閉ざした。
(謙信様は……ただ早く大きな戦をしたいってこと?なんだか怖い人……)
謙信様の美しい姿は、否応なしに視線を惹きつけるけれど、そばへ近づくのがはばかられるような、おごそかな凄みを漂わせていた。
信長「――…俺にとっても異論はない」
脇息にもたれ、まるで我が家のようにくつろぎながら、信長様がにやりと笑う。
信長「この俺の元へ単身飛び込んできた幸村の無鉄砲ぶりを買い、同盟に応じてやる。して……貴様は?信玄」
信玄「――…俺の名をお前が呼ぶな。虫唾が走る」
低く冷徹な声が響きわたり、私は反射的に身を縮めた。
(っ…前に茶屋で会った時と別人みたい)
謙信様とまた違う威圧感が、広間に充満している。
信玄「幸村」
幸村「はっ」
信玄「一刻も早くカタをつけろ。俺から他に言うことはない」
幸村「――…承知いたしました」
主君と家臣、ふたりの会話は短かったけれど、わずかな間視線を交わしただけで、信頼し合っていることがわかった。
秀吉「早々にこの不本意な同盟を破棄したいのは、我々とて同じことだ」
(秀吉さん…)
秀吉「表だってはこの同盟を公表しない。領民を無駄に動揺させる必要はないからな」
幸村「いいだろう、この同盟は密約とする。所詮、相容れない者同士だ」
政宗「……話は着いたな。じゃ、今夜中に出発するぞ」
政宗のひと声が広間を走り、空気がいっそう張り詰めた。
幸村「双方より少数精鋭を選抜し討伐隊を組む。これより先は互いが人質だ」
政宗「こっちからは俺が出る。俺の家臣も世話になったことだしな」
秀吉「俺も行く。信長様の安眠を妨げる毒虫はこの手で潰す」
(それじゃ、信長様と家康さんと三
成くんは、安土城で待機するってことか。あれ、そういえば…)
「あの、光秀さんは今どこに…?」
秀吉「あいつは引き続き顕如を追ってる。大詰めだからか、今は逐一情報を寄越してきてる。光秀の調べで敵の根城は京の奥地だとわかった。顕如は今、手勢をそこへ集結させ軍備を整えているらしい」
幸村「相手もこっちの動きを察知したってことか。上等だ」
不敵に笑ったあと、幸村がふと天井を見上げた。
幸村「――…おい、佐助。出番だぞ」
佐助「……ああ」
秀吉・政宗「……」
(ど、どこから入ってきたの!?まさか…)
天井を見ると、思った通り戸板が一枚外れていた。
佐助「俺も隊に同行します。皆さん、どうぞよろしく」
政宗・秀吉「お、おう…」
やたらと礼儀正しい忍者を前に、政宗と秀吉さんが怪訝そうに頷き返した。
幸村「俺は引き続き人質を務める。ただし…討伐隊の先鋒も、俺の仕事だ」
(幸村……)
「……武田上杉側の人質の幸村が行くなら、私も行きます」
政宗・秀吉「かな…?」
謙信・信玄「……」
驚く武将達をよそに、幸村と黙って視線を交わす。
幸村「…………」
(私がこういい出すこと、わかってたって顔してる…)
信長「また貴様の好奇心が顔を出したな。懐剣の振るい方くらいは覚えたか?」
「いいえ。……戦いはしません。後方で皆さんのお世話をするだけです」
(ここまで来たら最後まで見届ける)
「お願いします…!」
心を決めて、私は武将達へと頭を下げた。
信長「貴様は風のように自由勝手な女だな。見ていて飽きん。己の信じるままに動くが良い」
「はい…!」
(よかった……)
こうして一時同盟が結ばれ会議は終わり、その夜出撃することが決まった。
武将達のあとに続いて、最後に広間を出ていくと…
(ん?)
とんとん、と私の肩を誰かが指先で叩いた。
反射的に振り向いて、立ちすくむ。
信玄「はい、ちょっとこっちおいで」
「し、信玄様!?」
私は手首を引かれ、強引にその場から連れ出された。
(何…!?)
連れて行かれた先は信玄様の部屋だった。
「あの、な、何の御用でしょうか…っ?」
信玄「そう警戒することはない。前にお茶した仲じゃないか」
(え…っ)
信玄様は、心の底まで見透かすような深い色の目で、私を見据えた。
信玄「かな、君は織田の陣営の人間で、同時に幸村の恋人だ。そうだな?」
(この方は、全部気づいてるんだ…)
「っ……はい」
嘘をつけずに頷くと、優しい笑みが返ってくる。
信玄「この機を逃すと君に再会できないかもしれないんでな。強引な誘い方をしてすまないが…ちょっと頼みがあってね」
「頼みって…?」
信玄「この先、幸を支えてやって欲しい」
(え……)
信玄「幸は真っ直ぐのびのび沿逢って、一人前の立派な男になったが、あいつ、ちょーっと融通利かないとこがあってな。何でもかんでも全力でぶつかって、全力で受け止めて、人の倍、傷つく。で…傷ついても、そのまま突っ走ろうとする。俺が言ってる意味、わかるかな?」
「……はい、よく、わかります」
平野で雨に打たれていた幸村の表情が、脳裏によみがえる。
(幸村は強い人だけど、背負ってるものもすごく重い…)
信玄「だが…今日の幸を見たら、前より男前になってて驚いた」
「え?」
信玄「恐らく君に出逢ったお陰だろう」
(私……?)
信玄「あの朴念仁が惚れたんだ、よっぽど良い女なんだろうな、君は」
「っ…いえ、そんな…。幸村は元々……かっこいい男の人だと思います」
首を横に振ると、信玄様は固い手のひらで、ふわりと私の頭を撫でた。
信玄「いつか幸に連れ合いができたら、相手に言っとこうと昔から決めてたんだ。槍ってのは勢いよく振るほど威力を増すが、その分、衝撃も真っ向から受ける。この先あいつが折れないように、君が見守ってくれないか。俺はあいつを、ずっとそばで見ててやれないんでな」
(そうだ、この方は……ご病気なんだった)
信玄様は病を微塵も感じさせずどっしりと構えているけれど、笑顔が少しだけ寂しそうに見える。
「どうして……敵側の私に、そう仰ってくれるんですか?」
信玄「俺の敵は信長ひとりだ。それに……敵の命を奪うより、俺が遺していく奴らを生かす方が大事なんだ。だからまあ、ひとつよろしく」
気楽に笑い、信玄様は私を部屋から返してくれた。
信玄様の部屋を出た私は真っ直ぐに佐助くんの元を訪れた。
「佐助くん、ちょっといい…?」
佐助「…うん、どうぞ。俺も君と話をしておきたかった」
佐助くんはすっかり荷物をまとめ終えていて、部屋がガランとしている。
(きっと、ここへは戻ってこないつもりだから…だよね)
佐助「ここ数日の観測で、二週間後の俺たちがタイムスリップしたのと同じ時刻に…ワームホールが本能寺に出現することがわかった。京で顕如討伐を終えたらすぐ、俺は本能寺へ向かうつもりだ。でも……君は、迷ってるんだな」
「……うん」
(タイムスリップしてきた時は、早く帰りたいって…そればっかりだったのに)
「私も現代での暮らしが恋しいよ。何より、叶えたい夢があるの」
佐助「夢?」
「デザイナーになりたいんだ、私。服を作って、誰かを喜ばせたい。ずっと、夢だったの」
佐助「…そうだったんだ」
「でも……私が一番喜ばせたい人は、現代に戻ったら逢えなくなる」
佐助「…………」
「この時代で、自分の夢を叶える道もあるんじゃないかって…かけがえのない人の隣で、生きていく道もあるんじゃないかって、迷ってる」
佐助「……そうか」
(恋なんていつかさめるかもしれないことも、わかってる。でも…誰かと一緒に生きていきたいって思ったのは、初めてだから)
「ごめんなさい。佐助くんがくれた忠告、破っちゃったね。この時代の人に深入りしない方がいいって言ってくれたのに」
佐助「いや、謝らなくてもいい。一時の気の迷いで言ってるんじゃないってことは、君の目を見ればわかる」
(佐助くん…)
佐助「とにかく今は討伐隊と一緒に京へ向かおう。現代に帰るか迷ってるなら、直前まで悩めばいい。悩み抜いたその後は……君の思うままに生きればいい」
「……うん。本当にありがとう」
心からそういうと、佐助くんはどこか寂しそうに、少しだけ笑った。
佐助「
どういたしまして。どちらにしろ俺は……君の幸せを願ってる」
夜が更けて、出発の時間がやってきた。
隊の末尾で、現代から持ってきたバッグと必要最低限の荷物を積み馬に乗ると…
幸村「――…かな」
(あ…)
幸村が引き締まった表情で、私のそばへと馬を寄せた。
幸村「……佐助に話を聞いた。お前らの関係と、元いた時代に帰る期限が迫ってること」
(……!佐助くん、幸村に話したんだ)
幸村「戦に行く前に今度こそ、祭りの夜に伝えられなかったこと、言っとく」
(それって、あの時のこと…?)
———-
幸村「明日の昼、ここで待ってる」
「え…」
幸村「お前にちゃんと話しとかなきゃならねーことがある。約束しろ、顔見せるって。じゃなきゃ離さねえ」
———-
切ない思い出を噛みしめながら、私は幸村の言葉を待った。
幸村「お前にとっては酷なことだってわかってるけど、それでも言わせろ。お前を手離したくねえ。この先ずっと、俺のそばにいろ。俺は、お前と生きたい」
(っ…………)
幸村のひと言ひと言が、胸に沁み込み、刻まれる。
身動きできないくらいの幸福が、私を包み込んだ。
幸村「返事は戦が終わったあとでいい。お前の返事を聞くためにも、この戦、早々にカタをつけるつもりだ」
言葉を失くす私に、幸村は優しく微笑んだ。
幸村「合戦が始まったら…俺の背中に隠れてろ。お前は必ず俺が守る」
「っ……うん」
幸村「ん。じゃ、行くか」
すがすがしい笑みを見せて、幸村が隊の先頭へ駆けていく。
そばには政宗や秀吉さん、佐助くんの姿も見える。
幸村「――…いざ、出陣!」
幸村のひと声を合図に隊が動き出す。
飛び出していく幸村を追って、私も走り出した。
幸村の背中は沢山のものを背負っているけれど…その重さをものともしないほど力強く、輝いて見える。
(幸村がいない世界なんて、太陽がないのも同じだ。迷う余地なんて本当はとっくになかった…この戦が終わったら幸村に言おう。私は、幸村と一緒に生きる)
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